毎年3月頃、ホーリーという水&色粉かけ祭りが行われる。簡単に言うと、水や色の粉を周りの人に掛け合って、楽しむ祭り。祭りの一週間前から、水かけが解禁となる。見知らぬ人にかけてもいいので、街を歩いていると、不意に水鉄砲で水をかけらることもよくある。かけるほうは楽しいかもしれないが、かけられるほうは非常に迷惑。
さて、先月のホーリー前日、地元キャンパスの横をバイクで走っていた私は、キャンパスにたむろっていたバカ学生に、思い切り水風船を投げつけられた。別に、ぬれるのはかまわないが、かなり強く上半身に当たったので痛かったし、ハンドルを取られ、転びそうになった。あぶなんだいよ、ばか。
その姿を見て、喜ぶ若者。バイクをとめて、仕返しにレンガでも投げつけてやりたくなったぐらいだ。
レンガ?
そこで、ふと思った。
カトマンズで行われる抗議行動(デモ)でのお約束事。それは、若者(学生)たちのレンガ合戦。警察や国軍に向かって、レンガを投げつけて楽しむ。その姿には深刻さは全くなく、お祭り騒ぎにしか見えないのだが、水風船を投げる若者を見ていて、デモ中レンガを投げる若者の姿がダブった。同じだ。やっぱり彼らは、デモもお祭り気分で楽しんでいたのだ。息抜きが少ないこの国での、レンガ合戦はうさを晴らすいい機会にもなる。
外出禁止令が発令されていた4日間。カトマンズ郊外で行われていたデモの様子を、ニュースで見ていたら、やっぱりいた。楽しそうにレンガを投げている若者たち。彼らの表情は、ホーリーの日に水風船を投げていた若者たちのそれと、全く変わらない。楽しそう。手に持っているものが、レンガか水風船か、という違いだけ。どうせなら、デモのときも水風船でもなげときゃいいのに、と思う。
余談。抗議行動後の道には、砕け散ったレンガが散乱しているときがある。よくもまあ、重いレンガをこれだけ準備したものだ、と思う。『風が吹けば桶屋が儲かる』というが、この国では、『デモが出ればレンガ屋が儲かる』のかもしれない。
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