2006年9月30日土曜日

血みどろの地面と生首

私たちの事務所が入っている建物の裏には、車が何台か止められるスペースがある。
ここで、毎年、ダサイン8日目(アスタミ)の日に、隣人がヤギを絞めるのだ。もちろん、ダサイン祭の主役、ヒンドゥ教のドゥルガ女神に捧げるため。

昨日、それはそれは激しい、ヤギの悲痛の泣き声が響き渡っていたのだが、本日ぱったり止んだ。そのかわり、敷地内は、鮮血の海。アスタミの今日、儀式を行ったようだ。絞めたらすぐに溜まった血を水で洗い流してほしいものだが、解体作業に忙しかったのか、放ったらかしのまま。

生々しいので写真はとらなかったのだが、こういう光景を、この国では当たり前に見ることができる。

ローカルな肉屋に行けば、ダサイン祭のときに限らず、普段でも、生き物を絞めるシーンは普通に見られる。肉屋の前には絞められ待ちのヤギや鶏がたくさんいて、時間になると首を落とされ、毛をむしられるのだ。もちろん、その辺には血が飛び散る。

その後、見せしめのように、ヤギやいのししの生首が台の上に置かれ、それが肉屋の目印となる。

余談だが、川のそばでは荼毘に付される人が、薪の上で焼かれているシーンを、間近に見ることができる。短時間で人を焼ききれる工場のような火葬場など、ない。
日本人の価値観からすれば少々グロテスクで、リアルすぎる『死』の現場だが、こういうシーンを日常身近に感じることができるこの国では、人の血がみたくて、友達を殺してみた、というような、近頃の日本でありがちな青少年の犯罪は、きっとこれからも、おこらないだろうなあ、と、いつもこの時期になると思う。

2006年9月28日木曜日

ダサインボーナスの渡し方とネパール人の金銭感覚

明日からカレンダー上ではダサイン休暇に入る。

ネパールでは、ダサイン前にボーナスを出す習慣がある。私たち規模の小さな会社の場合、現金で手渡しするのが普通なのだが、今年はネパール人マネージャーの提案で、趣向を変えてみた。

ダサインボーナスで自分名義の銀行口座を開くなら全額支給、現金で受け取りたい場合は半額のみ支給、さて、キミならどちらを選ぶ?という方法。

(理由はいろいろあるにせよ、)カトマンズ在住の大人でも、銀行口座を持っていない人のほうが多いのが現状。宵越しの金は持たない人が多いこちらでは、現金を手にした瞬間に使ってしまう人も多い。『預金する』という概念は、一般人にはまったくないといっても過言ではない。金銭感覚は(も?)非常に幼稚。

しかし、どんなに目先のことしか見えない人でも、現金で半額分のボーナスをもらうより、口座を開いて全額をもらったほうが得だということぐらいはわかる。先のことを見越し、あるときに貯めて、あとで楽をする、という感覚を養うためにも、口座開設はなかなかよいアイディアかもしれない。

銀行口座の利点を今ひとつ理解していない者もいたので、わずかであっても利子がついて得をするという点、そして、ネパール人マネージャー自ら、銀行のATMカードを見せ、『口座に自分のお金が残っていれば、真夜中であっても、お金がほしいときに、このカード一枚で必要な分を引きおろすことができるのだぞ!』と、カッコよさなどを説明した。(銀行からのまわしもののようだが、そういうわけでは決してない。ガイドスタッフの将来を案じた結果の行為。余計なお世話かもしれないが)

口座開設には、最低1000ルピー(約1600円)を預けることで普通口座をもてる一般的なプランを選ばせた。この口座の場合、最低残高が1000ルピーを切ると、口座維持料として毎月手数料が差し引かれてしまう。このため、最低でも銀行には1000ルピー残しておく必要があり(そうでないと損なので)、何かのときに、心強いはずだ。

とりあえず2名、ダサイン前に口座を新設した。初めて持つATMカードにうれしそうな様子。

しかし、それでも現金がほしい、という者もいるから、なんだか、がっくりしてしまった。手にした金をどう使おうと、彼らの勝手ではあるのだが。

2006年9月27日水曜日

ネパールトレッキングTRCについて(続々編)

10月1日から導入される予定だった新しいトレッキングシステムTRC(Trekking Resistration Certificate:トレッキング登録証明書(仮訳))について、2006年9月8日付け、9月25日付けの2回、このブログにも書いた。

World Tourism Day である本日9月27日、この日にちなんだイベントの一環として、TRC申請事務所開設記念式典が予定されていた。そして、TAAN(Trekking Agencies Association of Nepal )所属トレッキング会社に、TRC申請要項および申請用紙などが配布(厳密には購入するのだが)される予定だった。

しかし、急遽昨日夕方の決定で、この式典は延期されることになり、これに伴い、10月1日から導入予定だったTRCシステムも延期される運びとなった。

TAANからの情報によれば、TRC申請事務所開設式典およびTRC導入は、10月第3週以降に延期されるという。しかし、まだはっきりしたことはわかっていない。

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なぜ、本日の式典が延期となったのか。

それは、先日、ネパール国内で起きたヘリコプター事故と関係している。著名人を含む乗客乗員24人の死者を出したヘリ事故を受け、本日、公的機関が哀悼の意を表すため臨時休暇となったためだ。このようなときに浮かれたイベントなどは実施できないため、本日、World Tourism Dayのために用意されていたイベントの多くがキャンセルまたは延期となった。

TAAN所属トレッキング会社・ヒマラヤンアクティビティーズとしては、TRC導入について客観的に今後の様子を見ていきたい。

2006年9月26日火曜日

ダサイン祭を感じる瞬間

9月29日から、ネパールは長期ダサイン休みに入る。休み開始まで、残すところあとわずか。

日本の年末のように、なんだかいつもに増してあわただしい街。渋滞が多いのも、そのせいかもしれない。

カトマンズ市内オールドバスパーク周辺の歩道や、中央郵便局周辺では、先日からダサイン向けに、道に敷物を敷いて、その上に品物を並べて売るだけの店が連なり、フリーマーケット状態となっている。買い物客と車とバイクと物乞いと野良犬とクラクションと排気ガスででごった返す、騒然とした街。(そして気が立つわたし)

こんな光景を見ると、ああ、ダサインだなあ、と感じる。

約一週間弱ぶりに青空が広がった今日。太陽が顔を出しても風は涼しく、もう本当に、秋、という感じ。こんな青空を見ても、ああ、ダサインだなあ、と感じる。

そして、忘れてはいけない極めつけはコレ! ・・・というか、すっかり忘れていたのだが、本日第一弾が聞こえてきた。

何が聞こえてきたかというと、生贄用ヤギの悲痛な泣き声・・・。30日の生贄日に備え、近所の家で早速ヤギを確保したようだ。ダサイン8日目(アスタミ)、ダサイン祭の主役、ドゥルガ女神に生贄を捧げる習慣があり、いたるところで、生々しい解体シーンを見ることになるのだが、この日のために、人々は、ヤギや鶏(豚、いのしし、水牛なんでもアリ。でも牛はダメ)を準備し、楽しみに待つのだ。

今年もあと4日、近所のヤギの首が切られるまでは、毎晩悲しい泣き声を聞きながら眠りにつかなくてはいけない。ああ、今年もダサインだよ・・・

2006年9月25日月曜日

TRC(トレッキング登録許可証・仮称)続編



10月1日から導入される新しいトレッキングシステムTRCについて、2006年9月8日付けで、このブログにも書いた。

その続報。

2006年9月24日付けTAAN(Trekking Agencies Association of Nepal )からの情報によると、やはり、先日このブログにも書いたとおりの内容で、TRCは実施されるようだ。

左ファイル、ネパール語での情報だが、参考までに添付したい。(最後の一行に、TRC申請場所の地図添付についての記載があるが、個人での申請は受け付けていないため、地図画像の添付は省略した) 

多くのトレッカーが心配している『ガイド無しではトレッキングにいけないのか?』という件だが、どうやら、その通り、ガイド(またはポーター)無しでは、トレッキングはできなくなるようだ。

添付書面によると、『トレッカーは、TAAN加盟トレッキング会社所属のフィールドスタッフ1名を必ずつけてトレッキングへ行くこと』とはっきり記載されている。『ガイド』『ポーター』という明確な記述はないが、言うまでも無く、『フィールドスタッフ』=『ガイド』または『ポーター』であることが読み取れる。

とりあえず今年いっぱいぐらいは、ガイドまたはポーターを雇って、決められたルールどおりにトレッキングへ出かけたほうが良いと思うが、そのうち抜け道がでてくると思うので、何が何でも個人トレックを楽しみたい方は、今後の動きに注意すると良いだろう。でも、違法行為はしないように。

2006年9月23日土曜日

まだ降る雨

9月23日、ヒンドゥ教最大秋の大祭『ダサイン』初日の今日も、雨。

『10月10日(以前の日本の体育の日)は雨降りの可能性が低く、ほぼ確実に晴天が広がる』と、統計的に証明されているように、『ダサイン祭の約10日間は、秋の青空が広がり雨は降らない期間』、と勝手に思い込んでいた。(実際には過去大雨が降ったこともあるそうだし、統計的な証明などされていないのだが、感覚的に)

しかし。相変わらず続く雨&曇天。9月20日頃からまた天気は崩れ、ずっとこんな調子で早数日。7月のようなこんな天候が繰り返し続いている。

季節は一気に変わった、と思っていたのだが、また逆戻り。

ほんと、よく降ってます。

2006年9月22日金曜日

曜日にまつわる俗信2

~ 曜日にまつわる俗信1 のつづき~

俗信によれば、『土曜の出発』は良くない。つまり、メールがネパールから出発する(送信される)のもよくない。重要なメールであるだけに、縁起のよい日に送信したほうが良いに決まっている。それは、月曜日。と考えたわけだ。しかしなぜ、月曜日の送信がよいのか?

昨日付けのブログに書いたとおり、こちらの俗信によれば、月曜は畑仕事に適した日 → 月曜日に種を蒔けば、作物が良く育つ → つまり、ビジネス拡大にも結びつく → ということで、げんをかついで月曜に送信しよう、という思考回路に至ったらしい。

ずいぶん強引なこじつけ方であるような気もするが、とりあえず期限に余裕はあったので、メールは月曜日に送信することにした。果たしてそのせいなのかどうなのか、先方から良い返事が来て、やっぱり俗信を守ってよかった、と、納得しているネパール人スタッフたちに、なんだかおかしくなってしまった。

~ 余談 ~

曜日にまつわる俗信を気にするスタッフの1人が、このダサイン祭(毎年10月頃にやってくる、ヒンドゥ教最大の祭)を前にして、バイクを買い換えることになった。昨日木曜日、新しいバイクが手元にやってくるという話だったらしいのだが、ここはネパール。予定は未定。翌日にずれ込む、という知らせが、ディーラーから入った。

すると、バイク購入予定のスタッフの顔が真剣になり、父親に突然電話をし始めた。父親は、ヒンドゥ司祭師の仕事をしていて、星回りが関係する運勢や、俗信、縁起などの話題に豊富な人。

会話の内容を聞いているとこうだった。

『おとーさん、ボクのバイク、明日手に入ることになったんだけど、金曜日に新しいバイクを手にしてもマズくないよね?』

ネパールには、月曜日に新しい服を買うのはよくない、という俗信もある。こういう俗信を思い出し、不安になったのだろう。できれば、縁起の良い日に新しい物を手に入れたい。

それにしても、だ。既婚で子持ちの30過ぎた男性が、そんな俗信を気にして、仕事中におとーさんに電話するなよ、と、思わず突っ込みをいれてしまった私であった。

余談の余談だが、購入したばかりのバイクには、必ず最初に、交通安全祈願のプジャをし、ココナッツ汁をふりかけるのは、言わずもがなの習慣。信心深いこちらの人たちの行為は、時にほほえましくもなる。

~おわり~

2006年9月21日木曜日

曜日にまつわる俗信1

ネパールには、曜日にまつわるおもしろい俗信がたくさんある。

その中に、こんな俗信がある。

月曜は畑仕事、水曜は家仕事をするのがよい

土曜の出発、火曜の到着、熱がでるかも、おなかが痛くなるかも?(出発、到着には土曜や火曜を避けたほうが良い、という意味) ネパール語だと韻を踏んでいてリズミカルな文章になる。

先週末、とても重要なメールを事務所から送る必要があった。何度も何度も見直し、不備が無いことを確認し、さて、いよいよ送信する段階になったときのこと。

送信することを周りに宣言し、気合をいれ、送信アイコンをクリックした瞬間、スタッフから「ちょっと待った!」の声がかかった。そして、羽詰った声で「今日何曜日?」と聞かれた。

その日は土曜日だったのでそう答えると、「土曜はマズイ!そのメールは月曜に送ろう!」と言い出すのだ。

ちょっと待ってくれ、すでに送信ボタンをクリックし、メールはじりじり送信されかけている状態。通信速度の遅いこちらのネット事情。送受信に非常に時間をくうことが幸いして、まだ『送信済み』にはなっていなかったからよかったものの、瞬時に送受信が終わってしまう日本のようなネット環境であれば、とっくの昔にメールは送られてしまっていたに違いない。

あわてて『切断』をクリックし、重要メールは送信されずにすんだのだが、なぜ土曜の送信はまずかったのか?というと、それは、先述した俗信に関係している、とのことだった。

~ 曜日にまつわる俗信2 につづく~

2006年9月19日火曜日

淡い恋に似た気持ち

そろそろ、カトマンズ市内からも、北方向にヒマラヤを拝める季節。

残念ながら私が住む場所からは、小高い(2000~3000mほど)丘(山?)が邪魔して、ヒマラヤの白い峰は見えないのだが、パタン方面(カトマンズの南にある隣町))に出かけた帰りなど、北方向の丘(山?)のさらに向こうにくっきり見える、6000~7000m級のヒマラヤに心躍らせることがある。

今年は特に、早くヒマラヤが見えやすい季節にならないかと、昨年よりも心待ちにしている。

今年6月、雨期中のランタン方面トレッキングへ行った。雨期とはいえ、雨はほとんど降らず、すばらしい景色に恵まれた。

ランタン方面6000~7000m級の山々は、カトマンズから直線距離で100kmも離れていない場所にそびえ立っている。日本並みの高速道路が走っていれば、カトマンズから1時間で到達できる距離なのだ(標高を考えないとして)。しかし実際は、100kmほどしか離れていないトレッキング始発地点まで、バスで8時間ほど揺られる必要がある。

距離的にはこんなに近い場所にあるヒマラヤなのに、いつも姿を見せてくれるわけではない。姿を見せてくれていても、私がヒマラヤを見られる場所にいるとも限らない。

トレッキングを終え、カトマンズに戻ってきてからしばらくは、見えそうで見えない、近くて遠いランタンの山々を思い出し、淡い恋に似た気持ちさえ感じていた。北方向を眺め、丘の向こう、雲に隠れたヒマラヤを想像し、思いをはせる日々。←少々大げさだが。

空が澄んで白い峰が少しでも見えた日には、なかなか近づけない憧れの人を遠くから見つけたような、そんな気にさえなっていた。

これから、憧れのヒマラヤが姿を現してくれる頻度が増える季節。今からとても楽しみにしている。

2006年9月17日日曜日

好みの食感

昨日、カトマンズにて日本の柿を購入した。

先日も書いたのだが、ネパールにも柿はある。この季節になると出回る。しかし、ローカル柿のほとんどは渋柿で、こちらの人たちは、ドロドロに熟すまで待ち、食べる。ゼリー状でおいしいことはおいしいのだが、柿はやっぱりシャリシャリかたいものを食べたい。

そういう日本人の願いを叶えてくれる日本の柿が、ここネパールでも手に入る。JOCV(青年海外協力隊員)の指導によるものだ。1kg(6個)で90ルピー(約150円)と購入しやすい価格。

おいしい日本の柿をネパール人たちにも食べさせてあげたく、知人におすそ分けをしたところ、みんながみんな口をそろえてこういった。

この柿、まだぜんぜん熟れてないね。

・・・。

ドロドロ柿しか食べなれていない彼らにとって、かたさの残る柿は、いくら甘くても、熟れてないも同然に感じたようだ。

かたくても甘いでしょ?日本の柿は、こういうものなの、と説明すると、ふーんと言いながら食べ続けていたが、今ひとつ、おいしさはわからないようだった。ああ、あげて損した。

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そうかと思えば、こちらの人たちは、それこそまだ『熟れていない』グァバを、おいしそうに皮ごと口にする。少しやわらかくなったグァバのほうが断然おいしいと思うのだが、グァバはかたいものを好む人が多い。

ドロドロ柿に、かたいグァバ。好みの食感も、人それぞれ。

2006年9月15日金曜日

季節が変わった日

先週末から雨降りの日々が数日続いていたのだが、それも、今週半ばに終わった。

9月13日頃から青空が広がるようになり、長雨を境に、一気に季節が移り変わった感じだ。こちらの季節は、いつもこうやって、突然移り変わるから、わかりやすくていい。

まだまだ日中晴れると暑いことには変わりないのだが、空も風も、もうすっかり秋。1ヶ月前ぐらいから、同じことを言っていた気がするが、今度こそ本当に、秋到来、という感じ。

・・・と思ったら、今晩もまた通り雨が降りはじめた。ということは、まだ完全な秋ではないということかな。ところで、これで明朝晴れれば、カトマンズからもヒマラヤがきれいに拝めるかもしれない!

2006年9月13日水曜日

穢れた種から芽は出るか?

~ 昨日の記事『秋の果物・バンレイシ(釈迦頭)』 のつづき ~

昨日、事務所にてバンレイシをおやつに食べた。

中から、黒豆よりやや大きいサイズの種が、たくさん出てくる。ひとつのバンレイシから、20個ぐらいは出てくるかもしれない。

(この種、クワティ(複数の豆を使ったスープ)の中に入れたら、誰も気づかないかもね、などという冗談はさておき)、種を庭に蒔いたら、カトマンズでもバンレイシが食べられるかしら?という話をしながら、口から出した大量の種を、紙に包んで持ち帰ろうとすると、スタッフにあっさり言われてしまった。

穢れた種を蒔いても、芽は出てこないわよ、きっと。

このブログでも何度か話題に出したことがあるのだが、こちらには、ジュト(穢れ)の概念がある。他人が口をつけたものは穢れているとみなされ、カーストが上の者などは、自分より低いカーストが手をつけた食べ物、食器には、絶対に手をつけたがらない。

その概念に関連し、一度口にした種を蒔いても、芽が出ない(実はならない)という迷信があって、彼女はそのことを私に言ったのだ。

でも、この夏、マンゴーの種を庭に捨てていたら、あちこちから芽が出てきたわよ、と、得意そうに私が言うと、でも、絶対に実はつけないわね、と、断言されてしまった。

家に帰って、種を庭に蒔いておいたのだが、果たして芽は出るのか?そして、実をつけるのかつけないのか?それ以前に、カトマンズでは気候条件が適さず、バンレイシは育たないかもしれないが。

~ 余談 ~

高カーストに属するスタッフが、このやり取りを見ていて、冗談でこういった。

ボテニ(bhoteni:チベット系の女性の呼び方だが、時に差別的用語にもなる)の穢れた種からは芽が出ないかもしれないけれど、バフン(ヒンドゥ教最高カースト・ブラーマンのネパール語)の種なら穢れてないから、ボクの種を持ってけば?(カーストと穢れの概念を扱った、ブラックユーモアといったところか)

いいえ、遠慮しておきます。

2006年9月12日火曜日

秋の果物・バンレイシ(釈迦頭)

日本と同じで、夏の終わりごろから、カトマンズでも柿や梨などが売られるようになる。

でも、こちらの柿はほとんど渋柿で、ドロドロに熟すのを待って食べることが多い。梨も、日本の品質改良された甘いそれとは少し違う。

こちらに住み始めた当初、秋の味覚、梨を見つけてうれしくなり大量に買ったところ、ほとんどが、包丁も入らないほどに硬く、がんばって皮をむいて食べてもジューシー感に欠け、かなりショックだった記憶がある。そのときのトラウマのせいで、ローカル梨はその後一度も買っていない。

秋の果物のなかに、バンレイシと呼ばれる果物もある。お釈迦様の頭に見た目が似ていることから、和名は釈迦頭とよばれるようだ。

柿や梨ほどメジャーではないのだが、今ぐらいの季節になると、カトマンズでも売られているのをちらほら見かける。

以前、10月初旬にカトマンズ盆地外の村を訪れたとき、ちょうどバンレイシのシーズンで、道すがら木をみつけてはもぎ取り食べた、という贅沢な思い出がある。

私は、果物にはそれほど興味がないのだが、日本の柿、桃(これはどこの桃でもOK)、マンゴーはとても好き。そんな味覚の私がおいしいと感じるのが、バンレイシ。つまり、そういう系の味。

~ つづく ~

2006年9月10日日曜日

再びシトシト雨のカトマンズ

朝は土砂降り、その後だんだん雨足は弱まって、夕方にはやむ、というパターンが土日2日間続いた。

半袖、素足(サンダル履き)では、明らかに肌寒い、いや、完全に寒い気温。

昨日は、カトマンズ~ポカラ間フライトはほぼ全線欠航となっていたようだ。

余談だが、雨が『シトシト』降ることを、ネパール語では『シムシム(またはシムシメ)』降る、という。『ザーザー』降りは、『ザムザム』降り。

日本語とネパール語は、擬態語や擬声語が非常に似ていておもしろい。

2006年9月8日金曜日

10月からのネパールトレッキングには証明書(TRC)が必要になります。

10月1日より、トレッキングに関する申請事項が変わる。(この記事の最後に、9月10日付追加記載有)

ネパールの主流トレッキングルート。エベレスト方面、アンナプルナ方面、および、ランタン方面。

いずれも、今まではトレッキング許可証は不要で、国立公園入園料を支払えばよかった。(エベレスト、ランタン方面の入園料は1000ルピー、アンナプルナ方面は2000ルピー)

入園料さえ払っていれば、トレッキング会社に属する必要はなく、ガイドもつけず、個人で自由気ままにトレッキングすることができていた。

しかし、10月1日から、上記入園料のほかに、TRC(Trekking Resistration Certificate:トレッキング登録証明書(仮訳))を申請取得する必要が生じることが決定し、本日発表された。

このTRCはTAAN(Trekking Agencies Association of Nepal )に加盟しているトレッキング会社でのみ申請可能となる。ちなみに、このブログ筆者も経営にかかわっているヒマラヤン・アクティビティーズはTAAN加盟会社である。(TAAN事務所に直接旅行者個人が行っても、申請は受け付けてくれないとのことなので注意したい)

申請には、トレッキングルートや日程、所属トレッキング会社、(トレッキングライセンスを所持するガイド名またはポーター名)などを記載する必要があるという。つまり、10月1日以降、トレッキングの際にはガイドまたはポーターのいずれかを必ず1名は同行させていないと、トレッキングはできないことになるのか?(未確認だが、TRCに関する情報が記載された書類を読むとそのように読み取れる)

TRCを取得していないトレッカーは、通行を許可してもらえないとのことなので、今後、必ずトレッキング会社を通してトレッキングを申し込む必要が出てきそうだ。(このようなシステムは、私たち政府登録済み正規に運営しているトレッキング会社にとっては朗報だが、フリーのガイドや、経験は豊富でもライセンスを持たずに活躍していたガイドには痛いかもしれない。また、ガイド無しで気ままなトレッキングを計画していたトレッカーにとってもつらい情報となるかもしれない)

このようなシステムが導入されることになったわけは、大きく分けて二つあるようだ。ひとつは、政府に登録していない名ばかりのトレッキング会社や、フリーのガイドが、不正に(税金を納めることなく)トレッキングを扱えなくする目的。もうひとつは、外国人トレッカーの安全を確保する目的。

いずれによせ、10月以降、ガイドもポーターもつけずにトレッキングを計画している場合、不正トレッキングとみなされることになるかもしれない。個人でトレッキングをしようと考えていた方は、十分に注意してほしい。

(ここから、9月10日付追加記載)

手元にあるのはTRCに関するネパール語の書面だが、次のような記載を確認したので、明記したい。(ほぼ直訳)

・ トレッキング会社は、最低1名の会社所属ガイドまたはポーターを、トレッカー個人またはグループに提供しなければならない。

・ トレッカー個人またはグループは、トレッキング会社が提供する最低限のサービス(注1)を受けずにトレッキングをした場合、トレッキングを中止させられるか、罰則を与えられる場合がある。

・ トレッカーがTRCを所持しているかどうか、最低限のサービスを受けているかどうか、警察やTAANを含む諸機関にてチェックがある。違法トレッキングをしている場合は、トレッキングを中止させられるか罰則を与えられる場合がある。

注1:最低現のサービス、という表現が何度か用いられているが、これは、トレッキング会社がトレッカーにガイドやポーターを提供すること、と読み取ることができ、関係者はそう解釈している。

ただし、TAANに詳細を確認したところ、上記事項がすべて10月1日から実施されるかというとそうではなく、現在検討中とのことなので、最終的なルールは後日発表されることになるようだ。

(9月10日追加記載終)

2006年9月7日木曜日

部分月食、見ていい?悪い?

9月8日に見られる部分月食の話題を、ネパールでも見ることができるNHKニュースで流していて、あわててパットロ(Patro)を開いてみた。

パットロというのは、占星術に絡んださまざまな情報が記載されているカレンダー。壁にかけるカレンダーとは違い、解読は難しいのだが、占星術による月別の情報、星座別1年の運勢、月食・日食情報など、興味深い情報が細かく載っていて、時に役立つ。



今回の月食は、日本時間の未明に見られるらしい。ということは、ネパールでは本日深夜頃に当たるはずだ、と思い確認すると、月食はネパール時間の本日9月7日23:50に始まり、8日0:36に最大となり、1:23に終了するという。(日本との時差は、ネパールが3時間15分日本より遅い)

夜更かしして眺めてみたいところなのだが、こちらの占星術によると、ただの興味本位で見てはいけないといわれている。星座別に、見ていいかどうか区別されているのだ。

たとえば、私の星座(西暦で判断する星座)はいて座なのだが、こちらの占星術によるとしし座であることがわかっている。

パットロによると、しし座は今回の月食を見てはいけないことになっていた(左上の画像に、その情報が掲載されている)。理由は(直訳すると)、女性との間にトラブルが起こるから、だそうだ。解釈の仕方によって直訳とはやや違った意味合いでとれなくもないのだが、いずれにしても、見るとトラブルが起こる、ということらしい。

昨年から今年始めに見られた3回の日食、月食時にも、見てはいけない、ということなっていた(実際には気にせず見ていたのだが)。



今後、来年3月3~4日に皆既月食、3月19日に部分日食が見られるそうなのだが、しし座の私はこれらも見るといけない(不幸になる、損をする)と書かれている。(写真は、来年3月の月食、日食情報)

いつになったら、日食、月食を見ることで幸せが訪れるのだろう?

ふと思い立って、西暦による私の星座・いて座の欄を見てみた。そこには『富に恵まれる』と言うようなことが書かれているではないか!

ネパールの雑誌や新聞に載っている星座占いを見るときには、必ずこちらの占星術によって出してもらった星座の欄に目を通す私なのだが、今回だけは例外、都合よく日本の星座を用いて、月食を見てしまうことにしよう。

2006年9月6日水曜日

カトマンズ市内移動(観光)時の渋滞に注意

在ネパール日本大使館からいただいたお知らせを こちらのページ に掲載した。

先日から、さまざまな目的での抗議行動、デモ、集会などにより、渋滞や交通封鎖があちこちで発生している。

それに加えて、祭がらみで混雑していたり(本日から、インドラジャトラも始まった)、道路工事による通行止めなどが実施されていることもあり、時間帯によっては、あっちに行ってもこっちに行っても渋滞、という状況のこともある。

たとえば昨日、カトマンズからパタンへ用事で出かけた際、カトマンズ市内の大きな道が集会による通行止めになっていて通れず迂回を命じられ、まわった道ではひどい渋滞、やっとの思いでパタンに到着したところ、いつも通る道が道路工事中出通行止めでまた迂回を余儀なくされる、という、踏んだりけったりな状況に巻き込まれた。

これからしばらく、こんな状況が続くのかもしれない。

大使館からのお知らせにも書かれているが、こういう状況は、予測できるものとできないものがある。観光中の移動時には注意したい。

なお、先日から、どこで渋滞が発生しているか、どこが通行止めになっているか、などの情報を交通警察が提供する、電話サービスが実施されている。番号は103番。l機械の音声サービスではなく、地名を言うと、警察官がその地域の状況を生声で答えてくれるとのことだ。ネパール語ができないと利用価値はないが、携帯電話を持参しているネパール人と一緒に観光・移動をしている際には、渋滞地域を問い合わせてみることができる。

上記大使館からのお知らせによると、空港内での盗難も頻発しているようなのでご注意を。

2006年9月4日月曜日

トリスル(Trishul):三又鉾



トリスル(Trishul)というのは、ヒンドゥ教シバ神が持っている三又の槍。日本語では三又鉾と訳されることが多いようだ。日本の刺股(さすまた)は、長い柄の先端にU字型の金具がついている武器であるが、トリスルは、U字の真ん中にもう一本入っているような形となる。(写真のシバ神が左脇に挟んでいるのが、トリスル)

以前、ネパール中部にある古都タンセンに行ったとき、丘の上に建つ寺院を訪れたことがある。そこには、ネパール最大だったか、世界最大だったかのトリスルがまつられていた。

カトマンズ~ランタン・ヘランブー地方のトレッキングに行く際、トレッキング始発地点(ドゥンチェまたはシャブルベシ)までは、トリスリ(Trishuli)川と呼ばれる川に沿って進む。このトリスリという言葉は、シバ神が持つトリスルに由来しているそうだ。

この地方のトレッキングで有名な、ヒンドゥ教の聖地ゴサイクンダ(Gosaikund)という場所がある。ここには、シバ神にまつわる多くの話が残っていて、その中のひとつに、この場所でシバ神がトリスル(三又鉾)を使って地面を突き刺したところ、そこから水が溢れ出し川になった、それがトリスリ川という名前の由来だ、というものがあったと記憶している。

トリスルを使った話題を今日はひとつ。

先日、『山』という文字に似た模様がたくさん書いてあるデザインのラベルを、衣類の一部に縫い付ける作業をネパール人に頼まなくてはいけなくなったことがあった。

日本人同士であれば、模様を『山』という漢字にたとえ、向きが上下逆にならないように縫い付けて、という指示をすれば、すぐに理解してくれるところだ。

しかし、こちらの人には『山』の向きで、といっても通用しない。以前も同じ指示を出さなくてはいけないことがあったのだが、そのときは、ラベルを見せ「3つの先っぽを必ず上向きにするように」「Mの逆で、またはWの向きで」としつこいぐらいに注意を促した。

しかし、仕上がったものを見ると、半分ほどの向きが逆になってしまっていた。あれほどいくつも例を出して説明したのに、なぜに間違えたのか理解できないのだが、要するに、彼らにしてみれば、どちらを上向きにして縫い付けなくてはいけないか抽象的にしか理解していなくて、上下の向きなど意識していなかったということなのだろう。

今回は、以前の経験を生かし、ネパール人でも上下を間違えるはずのない具体的な指示の出し方を考えてみた。『山』の文字に似た模様を、絶対に上下逆にしないような、良い例。3つの先っぽが必ず上を向かなくてはいけない、と一発で印象付けるものは何か?

いろいろ考えていて、トリスルを思いついた。



シバ神が持つトリスルは先ほども書いたように三又となっている。シバ神はこのトリスルを、たいてい柄を下にして持つ。つまり、三又の突き刺す部分が上に来るから、『山』という文字に似ているデザインが持つイメージと共通する。

これなら、こちらの人の脳裏にもしっかり焼きついてくれるはずだ、そして、間違えようもなくなるはずだ、と思い、トリスリの例を出して説明したところ、効果てきめん、上下の向きを間違えなくなった、ということがある。

2006年9月3日日曜日

雨乞いの儀式

毎週日曜日発刊のネパール語週刊誌に、面白い記事が載っていた。

雨の少なかった今年の雨期。ネパール南部に位置するナワルパラシ郡の一部の村では大干ばつ被害に遭っているという。

この地方では、雨乞いのための独特な風習があるとのこと。それは『深夜みんなが寝静まった頃、女性たちが集まって、全裸で田畑を耕す』という風習なのだそうだ。そして、『ただ耕すだけではなく、雨の神・インドラ神を罵りながら耕す』のだそうだ。昔からの言い伝えに深く影響しているそうなのだが、ネパール国内にも、地域や民族によって、興味深い風習がいろいろあって面白い。

ここ何年も、このようなことをしたことはなかったらしいのだが、今年の雨不足で大干ばつに見舞われ、田畑が枯れ果ててしまった。そこでついに女性たちは意を決し、夜、裸になって、田畑を耕しているという。

ここで、ネパールの田の耕し方を少し説明したい。日本も昔はそうだったのだと思うのだが、こちらでも農耕機(トラクター)などを使う習慣はなく、すべて人力作業。去勢牛(ネパール語ではゴルという)に農耕具を引かせて耕したりもする。

そこで、だ。ネパール南部のその地域では、裸になった女性何人かはゴルの役をし(つまり、四つんばいになって田畑を歩くのだと推測できる)、田畑を耕しているそうだ。想像すると、妙に生々しいこの光景、他人事ながら恥ずかしくなってしまう。

もちろん、男性立入厳禁だし、見てもいけないとのこと。しかし、作業終了後、カジャ(軽食のこと。ここでは夜食のような意味合いで読み進められる)を差し入れる習慣もあるそうなのだが、差し入れは、村で一番偉い人物がしなければいけないとのこと。村の偉い人物といえば、たいていは男性になってしまう。そこで、目隠しをして現場(全裸の女性が集まる田畑)を訪れているそうだ。差し入れ人が精力みなぎる中年男性ではなく、よぼよぼの長老であってほしい、などと、どうでもいいことを考えてしまった。

女性たちのためにも、雨乞いの効果があってほしいと思う。

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さて、上記の地域からそれほど離れていないネパール南西部(バルディア郡など)では、先日から大雨の被害が出ている。多くの人が大雨により家を失い、緊急に食料や医薬品を必要としているそうだ。ネパールのことなどめったに流れない日本のニュース(NHKBS)で、昨日深夜(日本時間の本日未明)、このニュースを流していて少し驚いた。それほど被害は深刻だということなのだろう。

大干ばつの被害に遭っている地域と、大雨の被害に遭っている地域、直線距離にして約400km程度しか離れていない。自然は意地悪だ。

ちなみにここカトマンズでは、まだ雨期は終わっていないが雨不足には変わりなく、すでに計画停電が始まっている。雨の神・インドラ神は、何をしたら雨を降らしてくれるのだろう?

2006年9月2日土曜日

計画停電開始

9月1日から、また、計画停電が始まった。

今年の雨期も、降雨量が非常に少なかったためだ。(しかし現在、西ネパールでは深刻な大雨被害を被っていて、医薬品や食料の不足が深刻になっているようだ)

とりあえず今のところの停電時間帯は、どの区域も1週間に一度、夜7時から9時半までの2時間半の実施となるようだ。(そのうち、停電時間は増えていき、今年初旬に実施されていたように、1週間に35時間もの停電が実施される日もそう遠くはないだろう、、、)

計画停電が始まる、という情報はあったのだが、いったい、どの区域が、何曜日の停電にあたるのか、詳しく知らないでいた。日本であれば、かなり前から、停電のお知らせと、お詫びなどが告知されるところだと思うが、そういう配慮はない。

いったい、私が住む地区では何曜日の停電となるのか?毎日ハラハラしながら過ごすのは嫌だ。でも、1週間以内には必ず電気は消えるわけだから、気長に待とう、と思っていたところ、計画停電開始2日目の本日、夜7時ちょうど、突然ぶちっと電気が切れた。

真っ暗闇の世界になった瞬間は、がっくりしてしまったが、早いうちに停電曜日がわかって安心もした。

さて、旅行者が多く集まるタメル地区では、金曜日の夜7時から9時半までの停電となるようだ。中級以下のホテルに泊まる場合は、自家発電機を備えていないところも多いので、これから来年の雨期が始まるまでは、懐中電灯を持参すると役立つはずだ。

中級ホテルには自家発電機が備わっている場合が多いが、自家発電では、ロビーやレストランの公共スペースのみしかまかなえないほどの電力しか供給できない場合も多いから、やはり懐中電灯は必須。