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2006年10月31日火曜日

羊の群れと動物の呼び声



午前中のカトマンズ中心部。イミグレーションオフィスやビソバサキャンパスが面する通りにて、売られていく羊の群れに遭遇。

羊を率いるお兄さんの口から、リズミカルな声が聞こえてくる。ラッラッラッ・・・、あっあっあっ・・・。

前者「ラッラッ」は、ほらほら、とか、さあさあ、というような意味があり、後者「あっあっ」は、おいでおいで、という意味の単語原型(来る:アウヌ)を、最も敬意を払わないよう語尾変化したもの。声帯を開ききって発音する。

ネパールでは、動物を呼び寄せる際に使う呼び声「あっあっ」の前に、動物により異なる枕詞をつけることが多い。

たとえば猫の場合。必ず、「あっあっあっ」の前に必ず「す~~り」という音をつけるのだ。あえてひらがなで書いたほうが、雰囲気が合うのでそうしてみた。

小さな子供であろうが、紳士的な男性であろうが、若い女の子であろうが、猫を呼び寄せる時には、しゃがみ腰になり、片手を猫のほうへ差し出しながら、「す~~り、す~~~り、あっあっあっ・・・」という声を発する。「す~り」は高めに、「あっあっ」は低めに。

その他、子ヤギには「むにむにむにむに」、牛には「な~に~」。水牛には「あ~ぃっ」(これは、水牛の鳴き声をまねている)などの枕詞がつく。

「むにむにむにむに、あっあっあっ」、「な~~に~、あっあっあっ」、「あ~ぃっ、あっあっあっ」というふうに。いずれも、枕詞を高めに、「あっあっ」は低めに、という自然発生的ルールは変わらない。呼び声を聞くだけで、どの動物を呼んでいるかどうかわかるのが楽しい。

ちなみに、鶏を呼ぶときは、「とぅ~わ、わっわっわっ」という。ただし、これは、ネワール語の呼び方だそう。ネパール語を母語とするカトマンズ出身のヒンドゥ教徒知人曰く、本来ネパール語を母語とする人たちは宗教上鶏を食べる習慣がなかったから、ネパール語での呼び声はなく、ネワール語を使うんじゃないの?と。真相はいかに?

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