2006年10月15日日曜日
マオイストの要求2~ガイド保護のために?~
『マオイストの要求』と名づけた今回のネタだが、政治的な面からマオイストについて述べることは、私の知識では不可能。和平交渉に関わるネタではないことを、あらかじめ断っておきたい。
ホテルや旅行業界に、以前は主に金銭を要求していたマオイストたちが、最近では、金銭ではなくさまざまなことを要求・主張しているという。
先日、私たちの事務所にも、要求を記載したA4サイズ2枚の紙を持って、マオイストが現れた。そこには、トレッキングガイドやポーターを保護するためのたくさんの要求が書かれていた。内容は以下の通り。
1.ガイド/ポーターには、順番に仕事を与えること。(好みのガイドにだけひいきして仕事を与えるようなことをするな、ということ)
2.どんな状況のトレッキングにも、ガイド/ポーターを1名ずつ(計2名)つけるよう外国人トレッカーに強く勧めること。(雇用の確保が目的)
3.年間240日働いたガイドには、今後、一定の年数解雇しないという契約を結ぶこと。(雇用の確保が目的)
4.ガイドには、外国語(英語)を勉強する機会を与えること。
5.トレッキング中に事故にあったときに役立つよう、応急処置法を学べる機会を会社側で調整すること。
6.トレッキングには、応急処置セットを持参させること。
7.ポーターには、30kg以上の荷物を持たせないこと。30kg以上になる場合は、1kgあたり、2kg分の給料を追加すること。
8.ガイド/ポーターがトレッキング中に着用する衣類は、会社が支給すること。
9.6500mよりも低い場所のピークトレッキングに同行するガイドには、クライミングチャージとして最低でも200USドルを支給すること。
10.ガイド/ポーターには最低でも、1日あたり次の給料(金額はここでは省略)を支給すること。
11.ガイド/ポーターには、必ず会社側で、保険に加入すること。
===
上記のような基本的雇用条件を満たさないトレッキング会社が多く、ガイドやポーターが痛い目に遭うことも多いため、マオイストがこのような条件を主張し、ガイドやポーターを自分の味方につける作戦に出ているようだが(かなり要約しすぎだが、つまりはそういうことだといえる)、私たちでは、2.以外はすべての条件をクリアしている。
それどころか、かわいがっていたのに、本能のまま簡単に辞めていくガイドたちもいて、こちらが逆にバカを見ることのほうが多いぐらいだ。今年も少し前に、非常に残念な思いをしたと、このブログにも書いたことがある。
上記条件を満たしているのに、ガイドに裏切られたら逆に会社側を保護してくれるのか? 弱いものの味方になるのがあなたたち(マオイスト)のやり方なら、会社側の味方にもなってくれるような要求もあわせてガイドたちにしてくれ、と、半分冗談で詰め寄ってみると、返事に困ってしまった、自称マオイストたち。
まあ、とにかく、僕たちの要求にも目を通しておいてくれ、と、言葉を濁して立ち去ってしまった。
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