こちらに暮らして数年間、ほとんどをカトマンズを中心とする直径約8km以内のエリアだけで生活している。
カトマンズ市とパタン市をぐるりと一周する、リングロードと呼ばれる環状道路(一周約20km)があるのだが、その外に出るのでさえ、年に数える程度。
ときどき、ポカラやチトワンなどの、観光地に出かけることもあるが、2年に1~2回程度。
あらためて考えると、随分狭い世界で生きているものだ。
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もともと私は、1つの狭い場所にじっとしていても、飽きない体質のようだ。
私がまだ2~3歳ぐらいの頃、2つのコップを持たせて砂場に座らせると、ひたすら1人で遊び続ける、手のかからない子供だったらしい。1つのコップで砂をすくい、もう1つのコップに移しかえる、という単純な遊びを、飽きずにひたすら続けていたそうだ。
また、最近(といってももう8年前のことになるが)では、ネパールの旅を終えて日本に帰国後、パラチフスが発症し1ヶ月間隔離病棟に入院しなければいけなかったことがあったのだが、1人で楽しい隔離病室ライフを堪能できた。
1ヶ月もの間隔離されると、ノイローゼ気味になる患者もいるそうだが、私は、看護師さんに病室の外に出ることを許可されても、畳六畳ほどの個室にこもっているほうが楽しくて、あきれられたほどだ。
話しはそれたが、こんな感じで、私は1つのところにじっとしていることに、特に苦痛を感じない体質である。だから、ネパールでの生活を、直径約8kmの狭い範囲だけで過ごしていても、それ自体にストレスを感じることはない。
が、こんな生活を続けていると、自分が少しずつ狭い人間になっていくのがよく分かる。時々、広い空気を吸わないと、ものすごく偏った人間になりそうで、怖くなる。
ということで、来週から少し広い空気を吸いに行くことにした。
行き先はネパール国内。でも、カトマンズとは全く違った地。報告はまた後日。
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