日本語で「か」と表される音。人によって、ソフトに「か」と言う場合もあるだろうし、少し強めに「か」という場合もあるだろう。でも、ひらがなで表すと、どんな音でも「か」は「か」となる。
しかし、ネパール語では、「か」は4音に区別される。日本語同じ「か(Ka)」と、くちをすぼめて言う「か」、ちょっと強めに吐き出すようにいう「か(Kha)」と、吐き出しながらもくちをすぼめていう「か」。ネパール語表記が見えるかどうかわからないが、この4つの「か」の違いは、文字で表すと『का』『क』『खा』『ख』となる。
この「か」が引き起こした、笑い話をひとつ。でも、ネパール語の意味がわからないと笑えないので、あしからず。
最近銀行に用があり、何度か訪れている。
書類作成に、2枚の顔写真(証明写真)が必要になる。持参していた写真は、2枚とも同じ画像ではあるのだが、サイズがちがった。一枚は、周りを切り落とし小さくしてしまっていたのだ。サイズが違うものでも扱ってもらえるだろうか?
そういう意味をこめて、女性行員に尋ねた。「一枚は切ってあって、一枚は切ってないんだけど、大丈夫かしら?」
その瞬間、行員の手が止まった。そして、写真と私を見比べるようにして「???」という顔をした。周りにいた人たち(見知らぬ人たち)は、みんな、くすくす笑っている。
あれ?私、なんか変なこと言ったかしら?と、瞬時に自分が発した文章を頭でさらってみる。そして気づいた。
私の「か」の発音が微妙におかしかったせいで、まったく違う意味の、でも、意味の通じる笑える内容になってしまっていたのだ。
「一枚は Khate で、もう一枚は Khate じゃないんだけど、大丈夫かしら?」
Khate(カテ)という単語には、人を軽蔑するニュアンスが含まれる。
*ここから一部ネパール文字を含む: 『एउटा चाहिं खातेको, अर्को एउटा चाहिं खातेको छैन।』と言ってしまったからまったく違った意味になってしまった。 本当は『एउटा चाहिं काटेको, अर्को एउटा चाहिं काटेको छैन।』 と言ったつもりだったのだが。 『か』以外にも『て』の発音も異なる。
つまり、私は、自分の写真さしながら、自分に対して侮辱したことになる。意訳はこう。(自分の顔写真をさして)「一枚はしょうもなくて、もう一枚はまあまともなんだけど、大丈夫かしら?」 ・・・和訳しても、まったくおかしくないのが残念。
ネパール人に聞かせると、大爆笑でウケてくれるのだが。
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