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2006年3月2日木曜日

バスの降車法 in バンコク

以前、バンコクの市バスを利用したとき、下車時にバランスを崩して転倒し、頭を打って血が流れ、市内にある緊急外来で何針か縫う手術をしたことがある。

バンコクの市バスは、しっかり停車しないでバス停を流しながら、乗客を昇降させることが多い。

私が下車したときも、そんな感じで、速度を落としただけでしっかり停車はしていなかった。

でも、手すりにつかまりながら、ぴょんと飛び降りれば大丈夫、と、身軽に道路に飛び降りたはずだったのだが、着地に失敗し、思いっきり右側に倒れ、コンクリートに頭を打ち付け、血が出るほどの怪我をしてしまったのだ。

頭の傷は、血が出たほうが軽症ですむ、というが、そのときはそんな常識を思い出すどころではなかった。

一瞬だけ意識を失った状態になって、真っ暗な視界の中で、ああ、異国の地でこんななさけない死を迎えるなんて、、、と思った記憶があるが、すぐに意識は戻り、あわてて駆け下りてきてくれた車掌さんに支えられながら、何とか立ち上がることができた。

たまたま、コンクリートの上に突起物がなかったことと、手に持っていた日傘が頭とコンクリートの間に挟まれて、衝撃が緩和されたことが幸いしてか、数針縫う程度の怪我で済んだのが、不幸中の幸いだった。

・・・とこの話を、バンコクの市バスに乗りなれている知人に話したら、『右足から着地したんでしょ?こけずに着地するためには、左足から着地しないとだめだよ』と言われ、それ以来、バンコクで市バスに乗るときには、いつも現地の人の着地方法を、注意深く観察してしまう。

すると、本当にみんな左足から着地しているから、おもしろい。

逆に私は、いつも右足から降りる癖があることも分かった。

バンコクでバスに乗るのは1年に1回あるかないか程度なのだが、あの事故以来、降車時には意識して左足から降りるようにしている。

余談。

頭を打った後の話。

心配した運転手と車掌さんが、私をまたバスまで戻してくれて、いくつかのバス停を回り乗客をすべて降ろした後に、市内にある大きな病院まで、そのバスのまま運んでくれたのだ。

車掌さんは、私の傷口に、バスの窓拭き用かと思われるキタナイ雑巾を押し当ててくれていて、少々衛生状態が気にはなったが、とても心温まる出来事だった。

『マイペンライ』という生のタイ語を聞いたのもこのときが初めてで、異常な状況の中、ひどくうれしかったのを覚えている。

病院では、緊急病棟に連れて行かれ、研修医のような若い医者に見守られながら、麻酔後、傷口を数針縫ってもらった。

その晩のフライトで、成田に向かう予定だったので、血で染まったままの服を着替えるまもなく空港へ向かい(たまたまワイン色のシャツを着ていたので、血は目立たなかった)、そのままの格好で飛行機に乗り帰国。

抜糸は日本でしてもらったのだが、傷口を見た日本の医者は開口一番、『すっごい色の糸で縫われてますねえ。青色の糸ですよ。しかも縫い口がそろってないですねえ』と、面白そうに教えてくれたのだった。

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