2015年6月10日水曜日
地鳴り
地震から1か月半が経ち、今更観はあるが、地震時の体験を聞き取るため、都合のつくガイドたちに集まってもらった。
雑談や電話で聞いてはいたが、一度、ひとりひとりとじっくり共有したいと思っていたのだ。
順番に呼んで、思い出すまま話をしてもらう。はじめは照れて口ごもる者も、ひとたび話し始めると、今さっき体験したことのように、平常時なら覚えていないような細かい出来事まで語ってくれる。
自宅の地中に埋まっている水タンクを掃除中だった者、昼寝をしていて揺れと同時にベッドから落ちた者、屋外で会合中だった者、親戚の家で危うく息子が戸棚の下敷きになりかけた者、村に帰省中で食事後リンゴをむいていた者、トレッキング中だった者、皆状況は異なる。
でも、共通するのは皆、「はじめ、地鳴りのような音を聞き、異変を感じていたところ大きく揺れ出した」といういこと。
地鳴りについては、今回集まってくれたガイドだけではなく、私がきいた他のたくさんのネパールの人たちも語っている。
5月12日の余震の時も、2011年9月18日の地震の時も、私の周りにいたネパールの人たちは皆、揺れ始める前に異変を感じ慌て出していた。
・・・
ちなみに私は、激しく揺れ始めてからのことしか覚えていない。地震発生時、玄関近くにいて外に出ようとしていたのだが、なぜ揺れを感じたとき自分があの場所にいたのか、よく思い出せなかった。たまたま玄関にいて、すぐ逃げることができた、と思い込んでいた。
しかし、当時のことを共有しいくうち、あの場所にいた理由を突然思い出し、はっとした。
あの時私は台所で洗い物をしていて、庭にいた家人に何度もしつこく「早く外に出ろ!」と呼ばれたのだ。もう少しで洗い終わるのに、と思いながら、しぶしぶ玄関に向かったところで、大きな揺れを感じたのだ。
庭にいてゴーッという地鳴りを聞き、これはただ事ではない、地震が来るに違いない、と瞬時に察し、何度も大声で外に出るよう私を呼んだ、という家人の記憶と一致する。
揺れを感じる前、地鳴りが聞こえる人とそうでない人がいるようだが、ネパールの人たちは、自然を感じる感覚が研ぎ澄まされている人が多いのだろうか。
それともただ私が鈍いだけなのか。皆が皆地鳴りを聞いたと証言するたび、やや凹む。
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ところで冒頭の写真。
今日は聞き取りだけで解散する予定だったのだが、集まったガイドたち、カジャを期待していたので、急きょ賄スタッフに用意してもらった皆分のカジャ。
常勤スタッフたち用にはすでに別のカジャを作り終えていたのだが、鶏肉を買いに走り、新たに作ってもらうことに。
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