ネパールで用いられているビクラム暦の、今月(7月17日~8月17日の1ヶ月)は4番目の月。月ごとに名前がついていて、今月はサウン(スラバン)と呼ばれる。
サウン月の間、ヒンドゥ教徒(主にブラーマン)はシバ神信仰をいつも以上に強くする。シバ神に由来のある月曜日には、他の月よりも多くの人が、シバ神を祭る寺院を参拝する。
[参考画像1] 今週月曜日に訪れた、カトマンズ郊外の小高い丘の上にある小さな寺院にて。朝早くから参拝客の列が続いていた。
[参考画像2] 小さな本尊を取り囲むようにして並ぶシバリンガ(シバ神の象徴)に供え物をする人たち。
この月は殺生を避けることが良しとされるため、普段は時々肉を食べる人であっても、この月だけは菜食で通すこともある。
生々しい生け贄シーンが見られることで知られている、ダクシンカリ寺院(カーリー女神を祭る、カトマンズ南部20kmほどの場所にある寺院)も、普段の月と比べると参拝客が減る(生け贄による殺生を避けるため)。
爪や髪を切らないで過ごす人も多い。
そんなサウン月の真っ最中、スタッフがヨーロッパ方面へ出かけることになった。ヒンドゥ教徒の彼にとって、深刻な問題が7月初め頃から浮上していた。
それは『訪欧前に髪を切りたいのだが、いつ髪を切るか?』ということだった。
費用を計算していたところ、ヨーロッパでの散髪代はネパールでの100倍ぐらいに相当することがわかったのだ。
2ヶ月の滞在中、向こうで散発代がかからないよう、何が何でも安いネパールで切っていく気でいたのだが、出発直前はサウン月の真っ最中。
彼も例に漏れずこの月に信仰を強める1人。髪を切るとはもってのほか、という思いが強く、切りたいけれど切れない状態だったのだ。
そしていよいよ出発日の前日(8月1日)。悩みに悩んだ挙句、許しを請う簡単なプジャ(儀式)をして、なんとか散髪を終えたそうだ。
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