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2007年8月30日木曜日

オイルランプの炎は語る

こちらの人の多くは、朝夕の祈りを欠かさない。仏間や神棚のオイルランプや線香に火をともし、お経を唱える。

普段のともし火に加え、家族や身近な人が遠くへ出かけている間、その人を想い、ひとつ余分にオイルランプに火をともしたりもする。

炎の加減は、同じようで実は毎回微妙に異なる。その強さや明るさを見ると、離れている相手が今どんな心理状態にいるのか、わかるのだそうだ。

知人宅でも、2ヶ月の予定で海外へ出かけている夫を想い、妻が毎夕オイルランプに火をともしている。先日、夕方のプジャ(祈り)の時間に私も居合わせ、不思議な話を聞かせてもらった。

夫がネパールを発ち、目的地に到着した日の夕方ともしたオイルランプの炎は、とても強く輝いていたそうだ。楽しみにしていた地に無事に到着したからであろう。

その後もずっと強く燃えていたそうなのだが、何回か、ひどく弱く燃えていたことがあったという。あとから確認すると、その日は、異国の地で夫が少なからず不安を感じていた日と重なったそうだ。

出先からの連絡はほとんどないが、炎がすべてを語ってくれているから、強く燃えている限り少しも心配はないと、妻は言う。

炎の加減と心理状態の関係が偶然によるものかどうかなんて、そんなことはどうでもいい。神を祭る薄暗い部屋で静かにゆれるオイルランプの火を見ていると、科学で証明できることだけが現実に起きなくてもおかしくないような、神秘的な気持ちになってくる。

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