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2005年6月26日日曜日

ピクニックにて



6月24日付けのブログで、ピクニックに行った話を書いた。そして、今年は、コックと雑用係を他から雇ったことも書いた。

雑用係は、ピクニック会場となった『トリブバン・メモリアルパーク』前に仕事を求めて座っていた女性に任せた。

彼女は、公園を訪れるピクニック客に声をかけ、日雇いで仕事をしているようだ。私たちが行ったときも、『1日200ルピー(約300円強)で水汲み、皿洗いをするよ』と、真っ先に声をかけてきた。

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私たちがピクニックをした日は朝から雨が降ったりやんだりしていた。途中、強い雨が振り出したのだが、雑用をしてくれている女性は、雨にぬれながら、皿洗いをしている。

私たちがいる場所には屋根がついているのだが、彼女は私たちから少し離れた屋根のない場所で、作業をしているのだ。

彼女は『仕事をする人』だから、『仕事を与える』立場である私たちがいる屋根の下に入れてはいけないのだろうか?

『仕事をする人』『仕事をさせる人』の区別がはっきりしているこの国のやり方に、私は時々戸惑いを感じる。

同行していたスタッフたちは、特に気になっていない様子だったが、私は、雨にぬれながら仕事をする女性が気になって仕方がなかった。

彼女を屋根の下に入れてはいけないのだろうか?彼女はもしかするとローカーストなのかもしれない。いやでも、彼女が汲んできた水で調理していることにたいしてスタッフたちは何も言わないということは(低いカーストが触った水や食べ物はけがれているとして、口にしない人たちもネパールにはいる)、別に彼女を屋根の下に入れてあげても、問題はないだろう。

みんながゲームに興じているのに、私1人、彼女のことが気になり、もんもんと考えていた。

雨はますます強くなるばかり。

とりあえず、スタッフたちの中で1番カーストの高い1人に許可を求めようと、聞いてみた。

『あの女性、屋根の下に入れてあげたらいけないのかしら?雨にぬれながら仕事してるけど』

すると、スタッフはいいんじゃないの、と一言。ただ単に、女性が雨にぬれながら仕事をしていることに、気づいていなかっただけのようだ。ちなみに、仕事をしている女性のカーストは、バフン(ヒンドゥ教で1番高いカースト)だった。

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ほっとしながら、彼女を屋根の下に招き入れてあげたのだが、その後も、よく働いてくれる姿が気になって、ジュースを注いであげたり、おかずをよそってあげたりしていたら、同行者のネパール人たちに言われてしまった。

『お金払って仕事してもらってるんだから、仕事はあのディディ(*)に任せて、君もリラックスしたら?』と。

* ディディ=年上の女性をこう呼ぶ。

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午後、片付けに入った頃、ディディの子供たちがやってきた。お母さんが仕事をしている間、小さな子供たちは、公園内で自分たちだけで遊んでいるようだ。

幼い上の子が、下の子の面倒を見る姿は、ネパールでは当たり前の光景だが、私はこういう状況に弱い。

仕事をするお母さんの横で、幼い姉妹の写真を1枚撮ってあげた。

その後、仕事が終ったお母さんと共に、親娘の写真も1枚パチリ。

いつになるか分からないけれど、焼いたら届けに来るからね、と約束して、公園を後にした。

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帰りの車の中で、スタッフたちに言われてしまった。

オフィスにいるときは気づかないけれど、やっぱり君は外国人だね。ネパール人だったら、あんなこと(仕事をしてもらった人の写真を撮り、届けてあげる約束をすること)なんてしないよ、と。

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