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2007年1月15日月曜日

目的は魚

本日、ビクラム暦のMagh月(10番目の月)1日は、マーゲ・サンクランティと呼ばれる日。

山芋を食べたり、黒砂糖のようなものから作った甘いお菓子等を食べる習慣がある。オイルマッサージをしたりもする。

いつも、宗教的行事があるたびに、熱心なヒンドゥ教徒の知人宅から招待の声がかかる。マーゲサンクランティの日(つまり本日)も、1泊の予定で訪れるよう招待されていたのだが、昨日になって突然、1日来る日をずらしてくれ、との連絡が入った。

別にいいけど、なぜ?と聞くと、次のような返事が戻ってきた。

Magh月1日は、エカダシなんだよねえ。

・・・すぐにぴんときた。なんともまあ、都合のいい理由付けだろう。

エカダシ、というのは、満月/新月から11日目にあたる日で、ヒンドゥ教徒はこの日、肉食をしない。町の肉屋などでも、エカダシの日には店を閉めるところもある。

マーゲサンクランティを一緒に祝おう、と誘っておきながら、その日は肉を食べられないから、翌日に招待しなおす、という彼らのムシのいい理由の構図を、説明しよう。

熱心なヒンドゥ教徒の彼らの家では、通常菜食で通している。

→ しかし、外国人の私が訪れるときは、『今日は外国人の客が来ているから』ということで、彼らが唯一自宅で調理することのできるヤギ肉メニューを振舞ってくれていた。実際は、私をダシにして、彼らが堂々とヤギ肉を食べることのできる日、と解釈していただきたい。(ちなみに、ヤギ肉以外の肉は、穢れているとされていて、自宅で調理したがらない)

→ しかし、私はヤギ肉をあまり好まない。どちらかといえば、鶏肉のほうが好きだ。あるとき、『お邪魔する代わりに夕飯の材料そろえていくから、ヤギ肉はやめて鶏肉の料理にしてくれない?』と注文を出したのだが、自宅で鶏肉を扱うのは宗教上穢れるから嫌だ、と却下されてしまった。

→ その代わりに、こんな案を出してきた。『キミ、ニホンジンなんだから、魚は好きだよね?』 もちろん、と私は答えた。

→ それでは、ヤギ肉でも鶏肉でもなく、魚のカレーをご馳走してあげるから、魚買ってきてね!

・・・以降、彼らの家を訪れるときは、私が魚を購入し、持って行く、という習慣がついてしまったのだ。つまり、私がお邪魔する=魚を食べる日、という図式がばっちり成り立ってしまったというわけだ。ちなみに魚は川魚、なまずの一種だ。

で、話を戻す。

エカダシの日には、ヒンドゥ教徒は通常、菜食で過ごさなければならない。

→ マーゲサンクランティを祝うために私を招待はしてみたが、エカダシの日に当たるから魚を口にできない。

→ それでは、私を村に招待する意味がない。

∴ 1日ずらして、エカダシが過ぎた後に(魚持って)泊まりに来てね!ということになったわけだ。

なんとも都合のよい話で苦笑してしまう。当初の、マーゲサンクランティを一緒に祝おう、という目的は、いったいどこへ消えてしまったのか?という感じだが、彼らの家でご馳走になる魚のフライ&カレーはとてもおいしいので、村訪問は1日延ばすこととした。

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