トイレの話 3 のつづき
村では水は貴重。往復1時間かけて、山の下の川まで汲みに行っている。排泄後に水を使うなど、もってのほか、とのことだった。では、水ではなく何でおしりをきれいにするのかというと、石か葉っぱ。
ほら、その辺にいくらでもあるでしょ?石がいい?葉っぱがいい?
知人に笑顔で聞かれ、こんなことならトイレットペーパーを持って来るべきだったとつくづく後悔したがもう遅い。
似たような感触である、ということを基準に、葉っぱを選び、トイレットペーパー代わりに使うことに決めた。
しかし、葉っぱを手当たり次第摘むわけにはいかない。おしりに優しいソフトな感触で、小さな棘などなく、かぶれの原因にならないものを探す必要がある。
が、日本は横浜出身、田舎好きではあるが、都会生活しか体験のない私には、悲しいことにまったく見分けがつかない。このため、便意をもよおしたら知人に告げ、大量の葉っぱ採集をたのみ、人気のない、なおかつ、以前使用した場所ではない木陰に連れて行ってもらわなければならなかった。
他人の力を借りなければ排泄も気軽にできない自分に、正直むなしさを感じた村滞在の10日間だった。
つづく
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