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2006年7月5日水曜日

古着寄付5(物乞いに温かい飯)

~つづき~

一方的な支援をすることによって生じる受身体勢。

実は、実際に身近なところで、『服はただでもらうのが当たり前』という状況に遭遇してしまった。

村から出てきたばかりのスタッフなどを雇うことがあり、着の身着のままで出てきた彼らに、寄付していただいた服の中から、1回だけ、という限定で、何着かを作業着として与えたことがあった。

作業着とは言えども、突然、仕立てのよい服をもらえてしまった彼らは、しばらく経つと、いとも簡単に次の品を、しかも色やデザインまで指定して要求し始めたのだ。(苦笑)。

更に、彼らが仕事をやめるときに、彼らが残していった荷物の中から、私たちが与えた衣類が無造作に残されていて、ショックを受けたこともあった。タダでもらえたものだから、捨てるのも簡単だったのかもしれない。

ネパール語に、「マグネライ タトバート(magne lai tato bhaat)」ということわざがある。直訳すると「物乞いに温かい飯」。「物乞いなら、冷たいご飯をもらえるだけでありがたいと思わなければいけないのに、温かいご飯を要求するという身の程知らず」、というような解釈となる。

まさに、この諺を思い出してしまった。

もともと、こちらの人たちは、誰かに何かをしてもらって当たり前、与えてもらって当たり前、という概念を持っている人が多い。恩はあまり感じない。また、ダメもとで、何でもお願いしてみる傾向もある。

だから、デザインまで指定してみて、要望を聞いてもらえればしめたもの、程度の安易な考えだったのだろうが、それにしても、日本人の私からすると、非常にがっかりすることでもあった。

やはり、状況がどうであれ、タダで物をあげることは、受身の体勢を生み出し、物のありがたみを意識しなくなり、良くない方向に行ってしまうのかもしれない。多くのボランティア団体が、支援をする際気をつけるのがこれらのことだが、それを身をもって体験してしまったのだった。

~つづく~

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