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2005年8月19日金曜日

どれがホントのネパール?

ラクチャバンダン(ジャナイプルニマ)の今日。

みんなで食べる予定の、豆のスープ『クウォンティ』を作るにあたり、肉を入れるか入れないか、昨日、打ち合わせをしたときのヒトコマ。

普段はあまり肉を食べないチェットリのスタッフが言う。

「カシコマス(ヤギの肉)入れようよ。おいしくなるからさ」

すると、普段は牛肉も普通に食べるシェルパ族のスタッフが言う。

「僕たちシェルパは、満月の日は絶食するんだ。まあボクは絶食はしないけど、せめて明日はベジタリアンにしないと」

ネワール族とライ族のハーフのスタッフが言う。

「肉入れるの?クウォンティに?うちじゃそんな作り方しないわよ」

すると、今度は純ネワール族のスタッフが言う。

「えー。うちではいつも肉入れるわよ」

マガル族のスタッフが言う。

「ボクがベジタリアンだってこと、忘れてないよね?」

マガル族の別のスタッフが言う。

「おいしくなるんだから、肉入れて作ればいいじゃん」

・・・

そして今日。ラクチャバンダン当日。

バフンで、ヒンドゥ教司祭一家に育ったスタッフが、ゲストからのリクエストで、手首に巻くための紐を自宅から持ってくる。

ゲストにまく前に、タマン族のスタッフがまだしていないことに気づき、手首にまいてあげようとお経を唱え始める。と、タマン族のスタッフがあわててこういう。

「生れてこの方、今日のこの日にドロ(手首に巻く紐)なんて、まいたことないよ。仏教徒のボクには、不要だよ」

未婚者のマガル族のスタッフの左手首に、紐がまかれているのをみて、バフンのスタッフが怒る。

「どこでしてきたんだ!未婚者は右手にするもんだぞ」

マガル族のスタッフはこう答える。

「コイ?(さあ?) 近くの寺の坊さんにしてもらったら、こうなった。しかもその坊さん、ティカも中心はずしてつけるもんだから、恥ずかしくてふき取っちゃったよ。あの坊さん、ニセモノだったのかな?」

それをみていた、純ネワール族のスタッフが言う。

「私たちネワールにも、バフンとは違うやり方があるように、そのお坊さんにも、彼の流儀があったんじゃないの?」

ちなみに純ネワール族の彼女は、今日、カエルにプジャをする習慣もある。

民族、育ってきた環境によって、習慣も考え方も異なるこの国。

どれも、間違いではない。

どれも、ホントのネパールです。

===

今日、手首にまいてもらった紐は、11月のティハール祭ガイプジャ(牝牛にプジャをする日)に、牝牛のしっぽに結びつける習慣がある。

でも、それより前にはずしたい人は、その辺に捨てたりせずに、川にながそう。

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