ラクチャバンダン(ジャナイプルニマ)の今日。
みんなで食べる予定の、豆のスープ『クウォンティ』を作るにあたり、肉を入れるか入れないか、昨日、打ち合わせをしたときのヒトコマ。
普段はあまり肉を食べないチェットリのスタッフが言う。
「カシコマス(ヤギの肉)入れようよ。おいしくなるからさ」
すると、普段は牛肉も普通に食べるシェルパ族のスタッフが言う。
「僕たちシェルパは、満月の日は絶食するんだ。まあボクは絶食はしないけど、せめて明日はベジタリアンにしないと」
ネワール族とライ族のハーフのスタッフが言う。
「肉入れるの?クウォンティに?うちじゃそんな作り方しないわよ」
すると、今度は純ネワール族のスタッフが言う。
「えー。うちではいつも肉入れるわよ」
マガル族のスタッフが言う。
「ボクがベジタリアンだってこと、忘れてないよね?」
マガル族の別のスタッフが言う。
「おいしくなるんだから、肉入れて作ればいいじゃん」
・・・
そして今日。ラクチャバンダン当日。
バフンで、ヒンドゥ教司祭一家に育ったスタッフが、ゲストからのリクエストで、手首に巻くための紐を自宅から持ってくる。
ゲストにまく前に、タマン族のスタッフがまだしていないことに気づき、手首にまいてあげようとお経を唱え始める。と、タマン族のスタッフがあわててこういう。
「生れてこの方、今日のこの日にドロ(手首に巻く紐)なんて、まいたことないよ。仏教徒のボクには、不要だよ」
未婚者のマガル族のスタッフの左手首に、紐がまかれているのをみて、バフンのスタッフが怒る。
「どこでしてきたんだ!未婚者は右手にするもんだぞ」
マガル族のスタッフはこう答える。
「コイ?(さあ?) 近くの寺の坊さんにしてもらったら、こうなった。しかもその坊さん、ティカも中心はずしてつけるもんだから、恥ずかしくてふき取っちゃったよ。あの坊さん、ニセモノだったのかな?」
それをみていた、純ネワール族のスタッフが言う。
「私たちネワールにも、バフンとは違うやり方があるように、そのお坊さんにも、彼の流儀があったんじゃないの?」
ちなみに純ネワール族の彼女は、今日、カエルにプジャをする習慣もある。
民族、育ってきた環境によって、習慣も考え方も異なるこの国。
どれも、間違いではない。
どれも、ホントのネパールです。
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今日、手首にまいてもらった紐は、11月のティハール祭ガイプジャ(牝牛にプジャをする日)に、牝牛のしっぽに結びつける習慣がある。
でも、それより前にはずしたい人は、その辺に捨てたりせずに、川にながそう。
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