ネパール発信老舗ブログ。筆者が体験する日々の何気ないひとコマをお届けします。
ボダナートには二つ思い出がある。確か二月だったと思うが、友人と三人で出かけたらチベット仏教のお祭りの日だった。すさまじい人出でもみくちゃになりながらも仏塔に登った。例の「ブゥヲー!」という音が鳴り響く中その音源に近づく事ができた。ビデオ撮影をしたかったからだ。 私がビデオを持って近づくとラマ僧は「日本人か?」と聞いてきた。「そうだ」と答えると中に入れと手招きをしてくれた。中とは音源の真横であり、「なんとかかんとか!」と叫びながら水や花をまき散らす高僧とおぼしき人の頭の上で、人垣の中なのだ。なんちゅうこっちゃ。「俺、こんなとこに居ていいのかい?」と思いながらも夢中で撮影した。 もう一つは10年程前、やはり友人達と訪れたときのことだ。そのときは夕暮れが近く「暮れなずむボダナートもいいなあ」と友人と仏塔に登っていた。 「そろそろ行こうか」と言っているその横をすっと人影が横切った。目がそれを追ったのだが釘付けになってしまった。黒の法衣をまとったその人は、沈む夕日に向かい端座して身なりを整え、手を合わせ目を閉じたまま瞑想に入ってしまった。 あまりのそのお姿の美しさに踵を返す事ができず、しばらく見入ってしまった。優しく流れる夕風と時間、心が穏やかになるのがわかった。 ちなみに僧は剃毛をしていた。日本人女性であった。
いつも抒情的な描写の素敵なコメントをありがとうございます。ボダナートは、心落ち着く不思議な場所ですよね。
ボダナートには二つ思い出がある。
返信削除確か二月だったと思うが、友人と三人で出かけたらチベット仏教のお祭りの日だった。すさまじい人出でもみくちゃになりながらも仏塔に登った。例の「ブゥヲー!」という音が鳴り響く中その音源に近づく事ができた。ビデオ撮影をしたかったからだ。
私がビデオを持って近づくとラマ僧は「日本人か?」と聞いてきた。「そうだ」と答えると中に入れと手招きをしてくれた。
中とは音源の真横であり、「なんとかかんとか!」と叫びながら水や花をまき散らす高僧とおぼしき人の頭の上で、人垣の中なのだ。
なんちゅうこっちゃ。「俺、こんなとこに居ていいのかい?」と思いながらも夢中で撮影した。
もう一つは10年程前、やはり友人達と訪れたときのことだ。そのときは夕暮れが近く「暮れなずむボダナートもいいなあ」と友人と仏塔に登っていた。
「そろそろ行こうか」と言っているその横をすっと人影が横切った。目がそれを追ったのだが釘付けになってしまった。黒の法衣をまとったその人は、沈む夕日に向かい端座して身なりを整え、手を合わせ目を閉じたまま瞑想に入ってしまった。
あまりのそのお姿の美しさに踵を返す事ができず、しばらく見入ってしまった。
優しく流れる夕風と時間、心が穏やかになるのがわかった。
ちなみに僧は剃毛をしていた。日本人女性であった。
いつも抒情的な描写の素敵なコメントをありがとうございます。
返信削除ボダナートは、心落ち着く不思議な場所ですよね。