2007年10月17日水曜日
ダサイン祭:ガイドの本音
去る12日よりはじまった、ヒンドゥ教徒にとって最大の祭『ダサイン』は、いよいよ明日から佳境に入る。
今年のビクラム暦(ネパール公暦)カレンダーを見ても、明日から10日間はずっと祭日扱いで真っ赤。
カトマンズ近郊の村から上京している者たちにとっては、今日や明日が帰省ラッシュとなる。
トレッキングシーズンが始まっているこの時期、ガイドの仕事をしている者は、ダサインにあわせて帰省することはなかなか難しい。それでも、「僕は1人息子だから、ティカの日(*)だけは家に帰らないと両親に申し訳ない」と、入っていた仕事を他のガイドにまわし、村に帰省する予定の者もいる。
(*)ティカの日:ダサイン祭メインの日で、今年は10月21日に当たる。家族や年上のものから、祝福のティカをおでこに付けてもらう。ヒンドゥ教徒にとって、とても大事な儀式。年中無休をうたっているレストランなどでも、『ティカの日』には休業となるところも多い。
ダサインは久々に実家で過ごすと楽しみにしていたガイドに突然の仕事が入って、「今年もまた家族からのティカを受けられないのか、、、」とがっかりしながら、トレッキングに出発して行った者もいる。
ダサイン祭を家族と共に過ごしたい、という彼らの気持ちは、大晦日から正月三賀日ぐらいは実家で過ごしたい、という、日本人の感覚と共通するものがあるから、仕事とはいえ、実家で過ごせないことを残念がる気持ちはよくわかる。
しかし、遠くの村から出稼ぎに出てきているガイドの中には、「ダサイン祭は、なるべくカトマンズにはいたくない」という者も多い。
浮かれるカトマンズの街や、人々の様子は、大家族で過ごした、村での楽しいダサイン祭の思い出を嫌でも呼び起こさせて、切ないのかもしれない。
先週、突然の長期トレッキングが入り、ガイドを1人見送った。例年、ダサイン祭もティハール祭も、トレッキング中に迎えている彼。今年もまたダサインはゆっくり祝えないね、と言葉をかけると、この時期、どうせカトマンズにいてもつまらないだけだから、仕事が入ってよかったよ、という返事が返ってきた。でも、その言葉の裏には、なんとなく哀愁が漂っている気もした。
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