2009年12月5日土曜日
交通事故では逃げるが勝ち
先日朝、近所を歩いていると、警察やたくさんの人が集まっている場所があった。何事かと思って、みんなの視線の方向をみると、段差のある家の敷地内に車がさかさまに落ちていて、思わず目が釘付けになってしまった。
野次馬たちに聞くと、事故は今さっき起こったところで、車には、学校に通う子供たちが乗っていたという。
目撃者によると、運転手は携帯電話をいじりながら運転していて、事故を起こす前から、蛇行運転していたとのこと。そして、何かの拍子に、この一段低くなった民家に突っ込んだのだそうだ。
車が落ちた場所では、この家の住人が、たらいに井戸水を入れて、洗濯の真っ最中だったという。しかし、通行人の叫び声のおかげで、車が頭上に突っ込んでくる前に逃げることができ、車の直撃を免れたという。
逃げ遅れていれば、重症か死んでいたかのどちらかだっただろう、と、興奮気味に野次馬が語っていた。
車に乗っていた子供や運転手にもけがはなく、幸い死傷者は出なかったとのこと。
周りの野次馬たちがいろいろ教えてくれたあと、「で、運転手は?」と私が聞くと、「もちろん逃げた」との返事が。
そう、ネパールでは、交通事故の加害者になると、まずは、その場から逃げるのが一般的。その場にとどまっていると、まず、間違いなく、周りの、事故には全く関係のない通行人につかまり、袋叩きにされるからだ。
実際、以前、女性が運転する車が民家に激突した事故現場を目撃したことがあるが、この時も、あちこちから人が集まってきて、加害者の女性を車から引きずりおろそうとして、見ていてハラハラした。
この時は、運転手が女性だったからか、または、被害者はいなかったためか、女性に対しての暴行はなく、車を蹴られ、落ちていた石やレンガで叩き壊されるぐらいで済んでいたが(それでも恐ろしいが)、運転手が男性だったり、被害者がいる場合は、車を焼かれたり、運転手がぼこぼこにされたりすることも多い。
だから、交通事故の加害者は、とりあえず、逃げる。
街で、事故を起こして運転手が逃げ、立ち往生している乗り合いマイクロバスやタクシーを見かけることが時々ある。逃げたところで、ナンバーや乗客の情報から、すぐにつかまってしまうのに、と思うが、永久に逃げるつもりなのではなく、野次馬からの暴行から逃れるために、とりあえず、逃げる。
逃げる加害者、暴行を加える無関係な野次馬、民度が低すぎて、なんとも嘆かわしいばかり。
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