カトマンズ市内にあるタメル(Thamel)。旅行者なら必ず一度は足を踏み入れたことがあるだろう。
安宿、旅行会社、土産物屋、両替屋などが所狭しと隣接する、1k㎡程度のエリアで、バンコクはカオサン通りの規模をもっと大きくした感じ、といえば、訪れたことのない人も、なんとなくわかってくれるだろうか。
旅行者にとっては便利なエリアなのだが、私にとってはあまり好きなエリアではない。旅行者時代も、足を踏み入れたことはほとんどなかった。
今でも、できれば避けたいエリアなのだが、私たちの事務所がある関係上、そうも言っていられない。仕方がないので、スクーターに乗りヘルメット&覆面姿で、目的地へ(から)は直行直帰している。
無意味にぶらぶら歩くことは絶対に避けたい。理由は、タメル内で顔をさらしたくないから。狭いカトマンズ、狭いタメルでは、何度か通りを往復するたびに、顔を覚えられてしまう。それがウザイのだ。
さて、先日、タメル内の店を何件か訪れる用事ができた。いつものようにヘルメット&覆面姿でスクーター移動するには、距離が短すぎる。徒歩移動の効率がよいのだが、顔をさらして歩きたくない。
こんなとき、ネパール人のように雨傘を日傘代わりにさしてあるくと、顔も隠れネパール人っぽく見えるのでいいのだが、そのときはあいにく傘を持ち合わせていなかった。
このため、しかたなく深々と帽子をかぶって歩くことにした。普段と同じ格好をしていても、帽子をかぶっただけで外国人ツーリスト扱いされ、『ニホンジン?コニチワ~』などと声を掛けられる率は高くなり、ウザさは増すのだが、面が割れるよりかはいい。
話はそれるが、小中学生の頃だっただろうか。『究極の選択』というのがはやったことがある。知人同士でくだらない選択を迫り、迷う顔を楽しむのだ。
その中に、こういうのがあった。
500m先の場所へ行くのに、素っ裸でバイクに乗って移動するのと、下着だけつけて自転車で移動するのでは、どちらを選ぶ?
「猛スピードで移動できたほうが、人物を断定できないから、素っ裸でバイクのほうがいいかな」、という人がいると、「でも、赤信号に引っかかったらどうする?バイクだと信号無視できないけれど、自転車ならできるよ」と、どうでもいいことを反論するヤツもいた。
話を戻すが、タメル内を移動するたびに、この究極の選択を思い出してしまう。
ヘルメットだけかぶり(顔は見えている状態で)スクーターに乗るか、帽子とサングラスで覆面し自転車に乗るか、はたまた、傘を低くさしうつむき加減で歩くか。
私にとって、どれも究極の選択であることには変わらない。
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