狭いカトマンズでは、街を走る同じ流しのタクシーを、偶然捕まえてしまうことがある。
こちらは、以前利用した運転手の顔など覚えていないのだが、運転手は前回利用したときの状況までもをよく覚えている。
目的地を告げる前から、運転手に、「キミの家知ってるよ。何度か連れて行ったことあるから」と、言われたことなどもあり、少々キモチ悪く感じたことも何度かあるのだが、本日は、キモチ悪さを通り越し、記憶力のよさに感心してしまう出来事にあった。
久々に流しのタクシーを拾った。行き先を言うと、運転手はチラッと私の方を振り返り、「キミ、以前○○○(地名)に住んでいたよね?」という。
確かに住んではいたが、今から5年程前の話だ。あてずっぽうを言っているのだろうか、と思い、何でそんなことを知っているのかたずねてみた。すると、以前、私を2~3回、その当時の住まいまで乗せたことがある、というのだ。
以前、っていつのこと?と聞くと、数年前、という。時期的にはあっている。しかも、当時の家の具体的な場所や、形までもを言い当てた。
よくまあ、そんな昔のことを詳細に覚えているものだ、と、感心してしまった。さらには、この数年間海外にも出稼ぎに行かず、ずっとタクシー運転手を続けてきた彼にもささやかな敬意さえ感じてしまった。
少々チップを弾んで、タクシーを降りた。
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