19日、20日と実施されていた、石油製品値上げに抗議すると見せかけた憂さ晴らし行動は、とりあえず終結した。
市内のあちこちでタイヤを燃やしたり、罪のない一般市民が乗るテンプー(乗り合い三輪自動車)のガラスをレンガで割ったり、緊急事態で出動している救急車に投石したりすることのどこが、抗議行動なのだろう?と思ってしまう。日頃鬱憤を晴らす機会のない若者が、ここぞとばかりに暴れまくって、お祭り騒ぎで楽しんでいるだけ。
お祭り騒ぎといえば、カトマンズ市外に住む知人が住む村では昨日、隣人たちが集まって、ヤギを一頭絞めたそうだ。(食用動物を絞め、みんなで分けて食べる、という行為は、祭り気分のときにすることが多い)
もうダサイン(祭)気分なわけ?と聞くと、まあそんなものだね、と、知人は答えた。(もうすぐ、生贄のために生き物をささげる儀式も行われる、ヒンドゥ教最大の祭り『ダサイン』祭が始まる)
以前は、季節行事なのかと錯覚するぐらいに定期的に実施されていたバンダ(スト)なのだが、今年4月の政情混乱終結以降、実施されていなかった。バンダによる臨時休暇慣れしてしまった一般市民たちには、バンダ無し(臨時休暇無し)の生活こたえる。
それが、今回の抗議(とかこつけた憂さ晴らし)行動で、街の機能が麻痺し、久しぶりの休暇となったのだから、これを祭り扱いとしないでどうする。そういうわけで、村人が集まって、ヤギを一頭絞めたそうなのだ。
抗議行動といいながら、憂さ晴らしでタイヤに火をつけ、他人に迷惑をかけて楽しむネパール人もネパール人だが、こうやってできた臨時休暇をいいことに、祭り気分でのんびりヤギを絞めるネパール人もネパール人だ。まあ、私もこの休暇をいいことに、家でのんびりくつろいだのだが。
所詮、この国の(最近の)バンダ(スト)なんて、この程度のもの。
うわーなんだか大変らしいぞ、と、現地で大慌てし、ネパールの治安は悪い、とすぐに決めてしまうのは、状況を正しく入手するのが難しい旅行者だけかもしれない。
政変による暴動と、憂さ晴らし的お楽しみ暴動は違う。そこのところをよく理解していれば、ネパールは危ないんだろうか?などと心配するだけ無駄にさえ思えてくる。でも、自己責任で注意はしなくちゃいけないけれど。
0 件のコメント:
コメントを投稿