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2006年8月19日土曜日

抗議熱は雨と共に消える

日中、カトマンズ(パタン含)市内は大変なことになっていたらしい。

石油価格高騰に対する抗議デモが、あちこちで繰り広げられていたらしいのだ。(20日も抗議行動は引き続き行われるようなので注意)

リッターあたり67ルピー(約110円)だったガソリンが、84ルピー(約130円)に値上がりすることに伴う抗議デモ。値上がり後も日本のガソリン価格よりは多少安いが、平均月収が日本の20~40分の1であるネパール。ガソリンがこの価格になるのは、現地人にとっては非常に痛い。

そこで、路上でタイヤを燃やし交通を妨げる、通行している車両に投石し、ボコボコにする、という大人気ない行為をみんなでして、価格高騰に抗議するわけ。

そんなことをしても、世界的に高騰している石油価格を下げることはできない。でも、こちらの人は 抗議行動という名ばかりの憂さ晴らし を、機会を見つけては繰り広げ、お祭り同様に楽しむ。

本日私は、自宅から割と遠い出先にいて、市内が大変なことになっている、という情報を日中耳にした。話によると、各地の路上でタイヤが燃やされていて、通行している車両は抗議隊によって止められているという。市内移動は徒歩でならできるが、車両ではかなり危険そうだ、という。

私は普段スクーターで移動している。最悪、この抗議行動が長引けば、スクーターは出先において、徒歩で家に帰らなければいけないかもしれない、と覚悟した。

でも、熱しやすく冷めやすいネパール人のこと。抗議行動がそんなに長時間続くはずもない。夕方近くなって雨が降り始めれば (雨期終盤に差し掛かり、午後にスコールが降る日が続いている)、もうボク、タイヤ燃やすのも飽きたし、雨も降ってきたから、家に帰ろーっと、というノリで、本日の抗議行動はすぐに終結になるだろう、と読んでいた。

実際、この国の抗議行動は、雨が降り始めたとたんに、笑えるほどあっけなく終了する。それはそれで嬉しいことなのだが、その程度の意思だったの?と半ばあきれてしまうことも多い。

たとえば、一昨年前、政党による抗議行動が1ヶ月以上連日起こっていたとき。雨が降り始める季節に入ったとたん、抗議行動の時間帯を雨が降らない時間帯に変える、という、手段をとっていたことがあった。(他の理由があったのかもしれないが、日差しが強かったり、雨が降ったりするたびに、それを避けるかのごとく抗議の時間帯がずれていた)

また、連日外出禁止令が続いていた今年4月にも、似たようなことがあった。外出禁止令発令区域にもかかわらず、国王に抗議する大群衆が何万人単位で終結し、王宮を目指したことがあった。あと1時間もしないうちに、王宮は大群衆に取り囲まれ、大変なことになるのではないか、と、誰もが心配したそのとき、突然大雨が降り始めた。

すると、シュプレヒコールを飛ばし、白熱しまくっていた大群衆は、それまでの熱をすっかり雨に冷まされたかのごとく、みんなさっさと家路につきはじめたのだ。つまり、抗議行動に参加していた大群衆のほとんどは、抗議の意味もわからずお祭り気分で抗議デモに参加してみた、という、安易な目的でしかなかったということなのだろう。

余談で長くなったが、今回のデモも、夕方雨が降り始めれば、とりあえず解散になるに違いない。徒歩での帰宅を覚悟した私も、すぐに、考えをあらためた。雨が降れば、余裕で車両移動できるだろう。

そして、15時過ぎ、予測どおり小雨が降り始めた。ここぞとばかりにスクーターを出し家路についた。つい1時間ほど前まではタイヤが燃やされて大変なことになっていたという通り道には、案の定、抗議している人の姿も見えず、普通の街に戻っていた。タイヤが燃やされた痕跡は、あちこちで見かけたのだが。

抗議行動とかこつけて、日頃の憂さを晴らせればそれで大半の人の目的は果たせる。抗議熱など雨と共に一瞬にして消えてしまう、所詮その程度のものなのだ。

でも、また明日(20日)の日中も、抗議行動は続くというので、注意はしたい。

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