こちらの人の多くは、朝夕の祈りを欠かさない。仏間や神棚のオイルランプや線香に火をともし、お経を唱える。
普段のともし火に加え、家族や身近な人が遠くへ出かけている間、その人を想い、ひとつ余分にオイルランプに火をともしたりもする。
炎の加減は、同じようで実は毎回微妙に異なる。その強さや明るさを見ると、離れている相手が今どんな心理状態にいるのか、わかるのだそうだ。
知人宅でも、2ヶ月の予定で海外へ出かけている夫を想い、妻が毎夕オイルランプに火をともしている。先日、夕方のプジャ(祈り)の時間に私も居合わせ、不思議な話を聞かせてもらった。
夫がネパールを発ち、目的地に到着した日の夕方ともしたオイルランプの炎は、とても強く輝いていたそうだ。楽しみにしていた地に無事に到着したからであろう。
その後もずっと強く燃えていたそうなのだが、何回か、ひどく弱く燃えていたことがあったという。あとから確認すると、その日は、異国の地で夫が少なからず不安を感じていた日と重なったそうだ。
出先からの連絡はほとんどないが、炎がすべてを語ってくれているから、強く燃えている限り少しも心配はないと、妻は言う。
炎の加減と心理状態の関係が偶然によるものかどうかなんて、そんなことはどうでもいい。神を祭る薄暗い部屋で静かにゆれるオイルランプの火を見ていると、科学で証明できることだけが現実に起きなくてもおかしくないような、神秘的な気持ちになってくる。
2007年8月30日木曜日
2007年8月28日火曜日
『ラクチャ・バンダン』デビュー
満月(ジャナイ・プルニマ)の本日は、『ラクチャバンダン』という儀式が行われる日。一年の健康と安全を祈りながら、ヒンドゥ教徒の司祭師(お坊さん)から聖なる紐(*)を身につけてもらう。
(*)聖なる紐:ブラーマンカーストの男性は、日ごろから身体にかけている『ジャナイ』と呼ばれる長い紐を、新しく取り替える。それ以外の者は、手首に聖なる紐を巻いてもらう。(手首に巻く紐は『ジャナイ』とは言わない)
たいてい、ブラーマンなどの家庭には、ホームドクターならぬホーム司祭師がいて、紐を巻きに早朝家まで来てくれるのだが、私は、司祭師の父親がいる知人の家を訪れる。
この家庭には、昨日11歳になったばかりの男児がいる。ヒンドゥ教徒の男児は、10歳前後になると、『ブラタバンダ』と呼ばれる儀式を行い、ヒンドゥ教徒の仲間入りをするのだが、彼は今春この儀式を終えたばかり。この儀式を済ませると、年齢や身体が小さい子供であっても、宗教上の穢れや習慣を意識しながら、ヒンドゥ教徒の一員として生きていくことになる。
早朝、聖なる紐を手首に巻いてもらおうと、近所の人々がこの家庭にやってきた。しかし、司祭師のおじいさんやおじさんは、他の家庭を周るため外出してしまっていて不在。
これはよい機会だからと、11歳の彼が、お坊さん代わりをすることになった。『ブラタバンダ』を済ませているから、まだ子供とはいえ、宗教上の儀式を執り行うことが許されるのだ。
今までの、『糸を巻いてもらっていた立場』から『糸を巻いてあげる立場』に変わった彼。初めての体験に緊張気味で取り組む。横からは母親が「糸の束は右手に持つ!」「きつくならないよう手首と糸の間に指を入れなさい!」「手だけでなく口も動かす!(お経も忘れず唱えながら作業しなさい)」と、指示を出す。
始めはぎこちない手つきだったが、何回かやっていくうちにコツをつかんだようで、なかなか様になってきた。
近所の子供たちの番になった。ごく普通の日常の中で行われているから、ござの上には無造作に歯ブラシが置かれている。私のために収穫してくれたヘチマ(食用)も転がっている。
緊張感のない背景と、子供たちだけが並ぶ姿は、『儀式ごっこ』を見ているようで、ほほえましくもあった。
(*)聖なる紐:ブラーマンカーストの男性は、日ごろから身体にかけている『ジャナイ』と呼ばれる長い紐を、新しく取り替える。それ以外の者は、手首に聖なる紐を巻いてもらう。(手首に巻く紐は『ジャナイ』とは言わない)
たいてい、ブラーマンなどの家庭には、ホームドクターならぬホーム司祭師がいて、紐を巻きに早朝家まで来てくれるのだが、私は、司祭師の父親がいる知人の家を訪れる。
この家庭には、昨日11歳になったばかりの男児がいる。ヒンドゥ教徒の男児は、10歳前後になると、『ブラタバンダ』と呼ばれる儀式を行い、ヒンドゥ教徒の仲間入りをするのだが、彼は今春この儀式を終えたばかり。この儀式を済ませると、年齢や身体が小さい子供であっても、宗教上の穢れや習慣を意識しながら、ヒンドゥ教徒の一員として生きていくことになる。
早朝、聖なる紐を手首に巻いてもらおうと、近所の人々がこの家庭にやってきた。しかし、司祭師のおじいさんやおじさんは、他の家庭を周るため外出してしまっていて不在。
これはよい機会だからと、11歳の彼が、お坊さん代わりをすることになった。『ブラタバンダ』を済ませているから、まだ子供とはいえ、宗教上の儀式を執り行うことが許されるのだ。
今までの、『糸を巻いてもらっていた立場』から『糸を巻いてあげる立場』に変わった彼。初めての体験に緊張気味で取り組む。横からは母親が「糸の束は右手に持つ!」「きつくならないよう手首と糸の間に指を入れなさい!」「手だけでなく口も動かす!(お経も忘れず唱えながら作業しなさい)」と、指示を出す。
始めはぎこちない手つきだったが、何回かやっていくうちにコツをつかんだようで、なかなか様になってきた。
近所の子供たちの番になった。ごく普通の日常の中で行われているから、ござの上には無造作に歯ブラシが置かれている。私のために収穫してくれたヘチマ(食用)も転がっている。
緊張感のない背景と、子供たちだけが並ぶ姿は、『儀式ごっこ』を見ているようで、ほほえましくもあった。
2007年8月24日金曜日
また雨
そんな予感はしていたのだ。
昨日、感傷に浸りながら、空も雲も、すっかりもう秋だなあ、などと書いたのだが、本日はまた雨が降っている。
8月半ばも過ぎたこの時期は、だいたい、日中は暑い日ざしが照り付けて(といっても、今の日本の酷暑ほどは暑くないが)、通り雨がザーッと短時間降るかんじとなる。そんな雨降りの特徴から、ネパールのことわざもあるぐらいだ。8月半ばまでの長雨と、その後の気まぐれ雨、というように。
しかしまた今日は朝からぐずついた天気で、マウンテンフライト、ルクラ行き共にも欠航。しとしとザーザー雨が降り続いている。
雨季中の、こういうはっきりしない天気は個人的には大好きなのだが、いくらなんでも、今年はちょっとしつこすぎるんじゃないの?と思ってしまう。
昨日、感傷に浸りながら、空も雲も、すっかりもう秋だなあ、などと書いたのだが、本日はまた雨が降っている。
8月半ばも過ぎたこの時期は、だいたい、日中は暑い日ざしが照り付けて(といっても、今の日本の酷暑ほどは暑くないが)、通り雨がザーッと短時間降るかんじとなる。そんな雨降りの特徴から、ネパールのことわざもあるぐらいだ。8月半ばまでの長雨と、その後の気まぐれ雨、というように。
しかしまた今日は朝からぐずついた天気で、マウンテンフライト、ルクラ行き共にも欠航。しとしとザーザー雨が降り続いている。
雨季中の、こういうはっきりしない天気は個人的には大好きなのだが、いくらなんでも、今年はちょっとしつこすぎるんじゃないの?と思ってしまう。
2007年8月21日火曜日
中国産の飴『White Rabbit』はやっぱりまだ売られていた
ここのところ、日本では中国製食品の危険性がニュースでよく取り上げられる。
1ヶ月ほど前だったか、NHKワールドで放送される海外安全情報(日本国内ではBS1にて放送される番組)でも、インドネシアに輸出されている中国産の飴から、人体に害を及ぼす物質が検出され、インドネシア政府はその飴を販売中止とすることにした、という情報を流していた。
インドネシアで売られている物だったら、ネパールにも入っているかもしれない、と、販売中止となった飴の種類を見ていると、やはり思った通り、ネパールでも売られているものだった。
それは、ホワイトキャラメルに似ていて、私も食べたことのある『White Rabbit』という飴(キャラメル)。駄菓子屋などでも一粒確か1ルピー(2円)程度で売られているようなもの。
話がそれるが、私が中国産の飴『White Rabbit』を知ったきっかけはこうだった。
ネパールの店では、小銭を切らしていると、つり銭の代わりに飴玉をくれることがある。私も、小さな商店で買い物をした際、店側につり銭がなくて、1ルピーだったかの代わりに『White Rabbit』をもらったことがあり、せっかくなので、食べてみたことがあった。
ホワイトキャラメル好きな私は、その味をなかなか気に入り、その後も、店がつり銭を飴玉でくれるときには、他の飴ではなく『White Rabbit』をちょうだい、と、わざわざ指定したこともあったのだった。
このような経緯があり、普段は自ら買ってまで飴類を食べることはないのだが、『White Rabbit』については、割となじみのある飴だったのだ。
さて、インドネシアの『White Rabbit』事件を知ってから、約1ヶ月がたった本日。カトマンズ市内の大きなスーパー内菓子売り場をぶらぶら歩いていたところ、何事もないかのように『White Rabbit』が大きな袋詰めとなってどっさり売られているのを目にしてしまった。この国では、やはり、まったく問題視されていないようだった。
人体に有害な物質が含まれているとはいえ、狂ったように毎日大量に食べない限り、表立った症状は出ないのだろうが、他国で販売中止となった製品が堂々と売られている状況を見るのは、なんとなくいやなもの。
『White Rabbit』を横目で見ながら、自分の身は自分で守らなくてはいけないということを、あらためて実感してしまったのだった。
1ヶ月ほど前だったか、NHKワールドで放送される海外安全情報(日本国内ではBS1にて放送される番組)でも、インドネシアに輸出されている中国産の飴から、人体に害を及ぼす物質が検出され、インドネシア政府はその飴を販売中止とすることにした、という情報を流していた。
インドネシアで売られている物だったら、ネパールにも入っているかもしれない、と、販売中止となった飴の種類を見ていると、やはり思った通り、ネパールでも売られているものだった。
それは、ホワイトキャラメルに似ていて、私も食べたことのある『White Rabbit』という飴(キャラメル)。駄菓子屋などでも一粒確か1ルピー(2円)程度で売られているようなもの。
話がそれるが、私が中国産の飴『White Rabbit』を知ったきっかけはこうだった。
ネパールの店では、小銭を切らしていると、つり銭の代わりに飴玉をくれることがある。私も、小さな商店で買い物をした際、店側につり銭がなくて、1ルピーだったかの代わりに『White Rabbit』をもらったことがあり、せっかくなので、食べてみたことがあった。
ホワイトキャラメル好きな私は、その味をなかなか気に入り、その後も、店がつり銭を飴玉でくれるときには、他の飴ではなく『White Rabbit』をちょうだい、と、わざわざ指定したこともあったのだった。
このような経緯があり、普段は自ら買ってまで飴類を食べることはないのだが、『White Rabbit』については、割となじみのある飴だったのだ。
さて、インドネシアの『White Rabbit』事件を知ってから、約1ヶ月がたった本日。カトマンズ市内の大きなスーパー内菓子売り場をぶらぶら歩いていたところ、何事もないかのように『White Rabbit』が大きな袋詰めとなってどっさり売られているのを目にしてしまった。この国では、やはり、まったく問題視されていないようだった。
人体に有害な物質が含まれているとはいえ、狂ったように毎日大量に食べない限り、表立った症状は出ないのだろうが、他国で販売中止となった製品が堂々と売られている状況を見るのは、なんとなくいやなもの。
『White Rabbit』を横目で見ながら、自分の身は自分で守らなくてはいけないということを、あらためて実感してしまったのだった。
2007年8月20日月曜日
2007年後半ネパールの祭/儀式日程(9月編その2:父の日/ティージ/インドラ・ジャトラ)
秋の祭シーズンに入るネパール。旅行者でも視覚的に楽しめそうなものを紹介中。
~ ~ ~
9月11日(火)『ネパール版父の日』
旅行者にとっては、特に何が見えるわけでもない普通の1日。ネパール人の知人がいれば、知人の父親の元へ一緒に連れて行ってもらおう。
ゴカルネシュワル寺院(ガイドブックにも載っているボダナート寺院を過ぎ、もっと東へ進む)へ。亡き父親を想いながら沐浴をする人たちの姿が見られるはず。
9月14日(金)『ティージ』
女性の祭り。シバ神をまつる寺院(有名どころではパシュパティナート寺院)にて、赤いサリーで着飾った女性の群衆が見られる。寺院を参拝する長蛇の列が出来、列のあちこちで、歌ったり踊ったりする女性の姿も見られる。(写真は、10年前のティージの日のパシュパティナートにて)
9月16日(日)『リシ・パンチャミ』
様々な穢れを落とす日。村などに行けば、女性たちのプジャが見られるかも。(写真は、10年前のもの)
9月25日(火)~数日『インドラ・ジャトラ』
カトマンズ盆地内ネワール族が祝う祭。『クマリ』と呼ばれる生き神様の少女を山車に乗せてカトマンズダルバールスクエア(カトマンズ旧王宮広場)周辺を周る光景を見ることができるのは、9月25日、26日、30日(?)。いずれも夕方から。また、この期間中は、カトマンズダルバールスクエア近くの広場などで、ネワール族の舞踊なども見ることができる。
~ ~ ~
9月11日(火)『ネパール版父の日』
旅行者にとっては、特に何が見えるわけでもない普通の1日。ネパール人の知人がいれば、知人の父親の元へ一緒に連れて行ってもらおう。
ゴカルネシュワル寺院(ガイドブックにも載っているボダナート寺院を過ぎ、もっと東へ進む)へ。亡き父親を想いながら沐浴をする人たちの姿が見られるはず。
9月14日(金)『ティージ』
女性の祭り。シバ神をまつる寺院(有名どころではパシュパティナート寺院)にて、赤いサリーで着飾った女性の群衆が見られる。寺院を参拝する長蛇の列が出来、列のあちこちで、歌ったり踊ったりする女性の姿も見られる。(写真は、10年前のティージの日のパシュパティナートにて)
9月16日(日)『リシ・パンチャミ』
様々な穢れを落とす日。村などに行けば、女性たちのプジャが見られるかも。(写真は、10年前のもの)
9月25日(火)~数日『インドラ・ジャトラ』
カトマンズ盆地内ネワール族が祝う祭。『クマリ』と呼ばれる生き神様の少女を山車に乗せてカトマンズダルバールスクエア(カトマンズ旧王宮広場)周辺を周る光景を見ることができるのは、9月25日、26日、30日(?)。いずれも夕方から。また、この期間中は、カトマンズダルバールスクエア近くの広場などで、ネワール族の舞踊なども見ることができる。
2007年8月18日土曜日
移動遊園地
今日はナーグパンチャミ。カトマンズ市内、蛇の神様を祭る池でには、朝から参拝客が絶えなかったようだ。
毎年、敷地内には、子供向けのアトラクション(トランポリンなど)も用意されていて、ちょっとした行楽地となる。周りには、アイスクリーム売りや風船売りなどの出店も出て、けっこうな賑わい。近くの広場にも、写真のような移動式遊園地が設置される。
蛇足だが、写真の観覧車は手動(手回し)ではなく、一応電動。眼が回る勢いでビュンビュン回るから、見ているだけで怖い。とてもじゃないが、観覧車で、のんびりデート、というようなときに使えるシロモノではない。
さて、相変わらず雨続きのカトマンズで、今日までの一週間ほどはほとんど曇りのち雨だった。
が、時期的に雨の多いサウン月(ビクラム暦4番目の月)も昨日で終わり今日から新しい月。そろそろ、雨も少なくなっていくかな?
2007年8月15日水曜日
2007年後半ネパールの祭/儀式日程(9月編その1:クリシュナ誕生日)
秋の祭シーズンに入るネパール。旅行者でも視覚的に楽しめそうなものを紹介中。
~ ~ ~
9月4日(火)『クリシュナ神の誕生日(クリシュナ・ジャンマスタミ)』
クリシュナ神を祀る寺院(*)にて、クリシュナ生誕を祝い、歌ったり踊ったりする人々の姿が見られる。
(*)カトマンズ/パタン/バクタプルのダルバール広場(旧王宮広場)内にあるクリシュナ寺院に行ってみよう。
写真は、カトマンズダルバール広場にあるクリシュナ寺院(2枚目の写真は、向かって右奥の建物がそれ)。六角形の建物が特徴的。上の2枚の写真は、昨年のクリシュナ聖誕祭で撮影したもの。
これが、クリシュナ神。プレイボーイな神様であることで有名。
いつもバンスリ(竹笛)を持ち、そのうっとりするような音色で、女の子を誘うのだとか。ガールフレンドの数、約16000人だというから、恐れ入ります。
~ ~ ~
9月4日(火)『クリシュナ神の誕生日(クリシュナ・ジャンマスタミ)』
クリシュナ神を祀る寺院(*)にて、クリシュナ生誕を祝い、歌ったり踊ったりする人々の姿が見られる。
(*)カトマンズ/パタン/バクタプルのダルバール広場(旧王宮広場)内にあるクリシュナ寺院に行ってみよう。
写真は、カトマンズダルバール広場にあるクリシュナ寺院(2枚目の写真は、向かって右奥の建物がそれ)。六角形の建物が特徴的。上の2枚の写真は、昨年のクリシュナ聖誕祭で撮影したもの。
これが、クリシュナ神。プレイボーイな神様であることで有名。
いつもバンスリ(竹笛)を持ち、そのうっとりするような音色で、女の子を誘うのだとか。ガールフレンドの数、約16000人だというから、恐れ入ります。
2007年8月14日火曜日
水たまり
今日も雨が降ったりやんだりの天気だった。一時は、土砂降り状態にもなっていた。
こんな日は、水はけの悪いカトマンズ市内のあちこちに、大きな水たまりができる。水たまりというよりは、池、小川といったほうが近いかもしれない。
歩行者優先意識のまったくないこちらの運転手は、近くに歩行者がいようがお構いなく、水しぶきを撒き散らして通り過ぎていく。
が、下の写真のタクシーは、意外にも徐行していた。歩行者に水しぶきをかけないよう配慮したわけではなく、水たまりの下に潜む、大きな穴(*)にはまらないよう、徐行しただけだとは思うが。
(*) 舗装状態が悪いので、思わぬところが陥没していることがよくあり、雨が降ると水たまりに隠れ見えなくなって、危ない。
2007年8月13日月曜日
雨が平和を呼ぶ?
昨日の突然のスト(ほとんど影響はなかったが)に引き続き、本日も、午後からあちこちで、学生たちがタイヤを燃やし、交通妨害をしていた。
午後、カトマンズ市内からパタン市内へ行く用事があったのだが、カトマンズとパタンを結ぶ橋のふもとでは、学生と警官がにらみあっていた。タイヤも燃やされている。でも、この道を通らないと、目的地にたどり着けない。
学生たちに、「私はネパール人ではないから通してほしい」旨、穏やかに伝えてみたが、「この道は今日は通せない!!」と鼻息あらく興奮しており話しても無駄そうだったので、素直に引き返し、3kmほど遠回りをすることにした。
細い路地を進み、無事にパタン市内の目的地へつくと、雨が降ってきた。用事を済ませているうちに、かなり大降りになってきた。
約1時間後、用事を終え、カトマンズに戻る際。
過去にも、雨が降るとそれまでの熱は一気に冷め、かなり激しく抗議行動していた群集でもあっという間にいなくなる、ということがあったので、どうせ今回も、とっととお開きになったに違いない、と思い、先ほどまでタイヤが燃やされ封鎖されていた道を行ってみることにした。
道路妨害が終わっていることを期待しながらも、反対に、この雨の中、ずぶぬれになりながら抗議している学生たちの姿があることを密かに期待していたのも事実だ。道路妨害自体は迷惑だが、雨にも関わらず主張(抗議)を続けていたら、それはホンモノだし、単純な私は、感動してしまったかもしれない。
しかし、もちろんそんな光景を見られるはずもなかった。予想通り、つい1時間程前まで道路妨害を続けていた大量の学生たちは、すでに1人もいなくなっており、いつもの道に戻っていた。
さっきまでの熱気は、いったいなんだったのだろう?雨が降っただけで、そんな簡単に引き上げてしまえる、所詮その程度の主張だったのか。
この国は、雨が降ればいつでも平和でいられるのかもしれない。
~ ~ ~ ~
冒頭の写真は、とあるキャンパスの前にて撮影。地元の人の話によると、1時間前までは、通行できない状態だったらしいが、雨によりこの状態。
道の中央に残る、黒くこげたタイヤの残骸(煙が少々くすぶっていた)と、それをよけて通る車の姿が、なぜかむなしい。
2007年8月12日日曜日
2007年後半ネパールの祭/儀式日程(8月編その2:ラクチャバンダン/ガイジャトラ)
秋の流行&祭シーズンに入りつつあるネパール。旅行者でも視覚的に楽しめそうなものを紹介中。
~ ~ ~
2007年8月28日(火)『ラクチャ・バンダン/ジャナイ・プルニマ』
ヒンドゥ教徒たちが身に付けている聖なる紐を新しくつけなおす日。何が見られるというわけでもないが、ヒンドゥ教徒の知り合いがいれば、手首に神聖な紐を巻いてくれるかも。寺院周辺でも、いくらかのお布施を払えば、坊さんがお経を唱えながら巻いてくれる。儀式を体験した気分にはなれるかもしれない。
この日の数日前から、アサン市場では、体や手首に巻く紐を売り始める。儀式当日、事前にプジャ(供養)をして清めたこれらの紐を、ヒンドゥ教の司祭師から、手首にまいてもらうのだ。赤、オレンジ、黄色、白、色とりどりなのはいいのだが、色つきのものは激しく色落ちするので、注意。
また、この日には、10種類近くの豆のスープ(クワティ)を食べる日でもある。このスープを食べるには、民家に招待してもらうしかないかな。(豆は、数日前から水に浸し、発芽させてからスープにするのが一般的)
2007年8月29日(水)~9月4日(火)『ガイ・ジャトラ』
過去1年になくなった身内の霊を天国に送り出す祭(儀式)。主に、ネワール族が行うので、住人のほとんどがネワール族である古都パタン、バクタプル、キルティプルあたりを訪れると、それらしい雰囲気(*)を味わうことが出来る。
(*)男児や男性が女装し、牛を引き連れて街を練り歩く。また、広場などでは、仮面ダンスが披露されている。
余談だが、この期間、ネパール人ホモ団体も街(タメル地区など)を練り歩くことがあるので、ぎょっとする光景に遭遇するかもしれない。
~ ~ ~
2007年8月28日(火)『ラクチャ・バンダン/ジャナイ・プルニマ』
ヒンドゥ教徒たちが身に付けている聖なる紐を新しくつけなおす日。何が見られるというわけでもないが、ヒンドゥ教徒の知り合いがいれば、手首に神聖な紐を巻いてくれるかも。寺院周辺でも、いくらかのお布施を払えば、坊さんがお経を唱えながら巻いてくれる。儀式を体験した気分にはなれるかもしれない。
この日の数日前から、アサン市場では、体や手首に巻く紐を売り始める。儀式当日、事前にプジャ(供養)をして清めたこれらの紐を、ヒンドゥ教の司祭師から、手首にまいてもらうのだ。赤、オレンジ、黄色、白、色とりどりなのはいいのだが、色つきのものは激しく色落ちするので、注意。
また、この日には、10種類近くの豆のスープ(クワティ)を食べる日でもある。このスープを食べるには、民家に招待してもらうしかないかな。(豆は、数日前から水に浸し、発芽させてからスープにするのが一般的)
2007年8月29日(水)~9月4日(火)『ガイ・ジャトラ』
過去1年になくなった身内の霊を天国に送り出す祭(儀式)。主に、ネワール族が行うので、住人のほとんどがネワール族である古都パタン、バクタプル、キルティプルあたりを訪れると、それらしい雰囲気(*)を味わうことが出来る。
(*)男児や男性が女装し、牛を引き連れて街を練り歩く。また、広場などでは、仮面ダンスが披露されている。
余談だが、この期間、ネパール人ホモ団体も街(タメル地区など)を練り歩くことがあるので、ぎょっとする光景に遭遇するかもしれない。
2007年8月10日金曜日
2007年後半ネパールの祭/儀式日程(8月編その1:ナーグパンチャミ)
ネパールの家の入り口を見ると、左の写真のような蛇の絵が貼り付けられている家が多いことに気づく。
1年に1回、健康や家内安全・他を願いながら、貼りかえるのがこの日。
朝、滞在先の入り口あたりで、蛇の絵を貼りプジャ(供養)する人の姿が見られるはず。ちなみに、蛇の絵は神聖とされる牝牛の糞で壁に貼り付けられる。
蛇の神様を祭る場所(*)では、ちょっとした祭りのにぎわいも感じられ、視覚的にも楽しめるはずだ。
(*)現王宮のすぐ東にある、蛇の神様を祭る小さな池(見た目はスイミングプールだが)『ナーグ・ポカリ』や、カトマンズ郊外南『ダクシンカリ』へ行く途中にある『タウダ』という場所(沼地がある)など。
ナーグパンチャミの数日前からは、カトマンズ市内のアサン市場などで、いろいろなデザインの蛇の絵も売られ始める。お土産にどうぞ。(写真は、昨年以前に撮影したもの)
2007年8月9日木曜日
ネパール国内線値上げ:07年8月10日~
燃油料値上げの影響で、ネパール国内線全線、8月10日より値上げとなることが決まった。
距離に応じて1~3USドル程度の値上げとなる。
旅行者の利用が多い路線の値上げは、次の通り。
カトマンズ~ポカラ間 片道 79USドル → 81USドル
カトマンズ~ルクラ間 片道 100USドル → 102USドル
マウンテンフライト 1回 132USドル → 135USドル
その他の路線については、次のページに掲載中。
http://www.himalayanactivities.com/domesticflight.htm
* ヒマラヤンアクティビティーズご利用予定の方で、すでに国内線のお申し込みをお済ませの方(お申し込みに必要な内容をお知らせいただいている方)については、値上げ前の料金適用とさせていただきます。
距離に応じて1~3USドル程度の値上げとなる。
旅行者の利用が多い路線の値上げは、次の通り。
カトマンズ~ポカラ間 片道 79USドル → 81USドル
カトマンズ~ルクラ間 片道 100USドル → 102USドル
マウンテンフライト 1回 132USドル → 135USドル
その他の路線については、次のページに掲載中。
http://www.himalayanactivities.com/domesticflight.htm
* ヒマラヤンアクティビティーズご利用予定の方で、すでに国内線のお申し込みをお済ませの方(お申し込みに必要な内容をお知らせいただいている方)については、値上げ前の料金適用とさせていただきます。
2007年8月7日火曜日
クラクションよりも有効なもの [2]
昨日のつづき
街をスクーターで走っている際、道幅いっぱいに広がって歩いている、明らかに歩行マナーに反する邪魔な歩行者に対して、真後ろから徐行しつつ、嫌味をこめて連続でクラクションを鳴らして注意を促すことがある。
しかし、たいていいつもことごとく無視される。わざと無視しているのではなく、クラクションの音が、彼らの耳は入らないのだ。
途方にくれて、「ちょっと、邪魔なんだけど」と(日本語で)つぶやくと、あれだけ大きな音でクラクションを連発したときにはまったく反応のなかったその歩行者が、すぐに後ろを振り向き、道をあけてくれることがよくある。
道路のあちこちで、「どうぞめちゃくちゃに轢き殺してください」と言わんばかりに、走行中の車両には目もくれず、縦横無尽に道を横断しようと試みる歩行者も同じだ。
至近距離を車両が通過しようとしても、こちらの人は、歩く速度を落とさない。何かが近くに接近してきて、それを危険と捕らえる距離感覚が、日本人のそれとは明らかに違う。
接触寸前まで近づいてこようとする歩行者に対し、とっさの時には、クラクションに指をかける前に思わず、「危ないっ!」とか「ちょっと!」とか、「どこ見てんだよっ!」などという大声(いずれも日本語)が、出てしまう。
すると、周りの車が鳴らしまくっているクラクションにはまったく反応を示していない人たちも、大声にはビクッと反応し、注意を払い立ち止まるのだ。
こんなことを繰り返すうちに、クラクションを鳴らす代わりに、大声を発して歩行者を制する癖がついてしまった。
厳密には、歩行者に対してだけでなく、割り込みしてくるバイクや、後ろから無意味にクラクションを鳴らし続けるタクシーを制するときにも、非常に有効。
効果てきめんな方法なのだが、のどと体力を消耗するのが少々つらい。
(写真は、数ヶ月前に撮影したもの。歩道橋があるのに使わず、堂々と道の真ん中を横切る歩行者。至近距離を車が通過しようとしても、歩行者は歩く速度を落とさない。もちろん車も、歩行者が車体すれすれまでやってきても、徐行せず、むしろ加速する。しかし、タクシーや写真のようなマイクロバスなどは、前後の流れはお構いなく、いきなり急ブレーキをかけて客引きを始めることがあるから油断ならない)
2007年8月6日月曜日
クラクションよりも有効なもの [1]
こちらの運転手の多くは、歩行者を視野にとらえると、ブレーキをかけるどころか、逆に加速する。そして、歩行者が普通に道の端を歩いていて、危険範囲内に存在していないことは明らかでも、クラクションを鳴らしてとりあえず威嚇する。
歩行者も歩行者で、自分に向けて鳴らされるクラクションの音にはびくともしない。完全無視、というよりも、もともと音が耳に入っていないだけ。
バスやタクシーなど公共交通手段の運転手たちは、特に、クラクション使用率が高い。10m走行ごとに1度はクラクションを鳴らさないと罰せられるかのごとく、障害物があろうがなかろうが、とにかく、鳴らしまくる。
童話「狼と少年」ではないが、これだけ年中あちこちでクラクションの音が鳴り響いていると、慣れてしまって誰もほとんど注意を払わない。
ただの騒音しか生み出していないのなら、いっそのこと、すべての車からクラクション装置を除去してしまえばよいのに、と、真剣に思ってしまう。
ついでに、バックミラーをまったく見ない運転手も多いので、こちらも除去してかまわないだろう。
次回に続く
2007年8月5日日曜日
カトマンズ空模様
2007年8月3日金曜日
サウン月の悩み
ネパールで用いられているビクラム暦の、今月(7月17日~8月17日の1ヶ月)は4番目の月。月ごとに名前がついていて、今月はサウン(スラバン)と呼ばれる。
サウン月の間、ヒンドゥ教徒(主にブラーマン)はシバ神信仰をいつも以上に強くする。シバ神に由来のある月曜日には、他の月よりも多くの人が、シバ神を祭る寺院を参拝する。
[参考画像1] 今週月曜日に訪れた、カトマンズ郊外の小高い丘の上にある小さな寺院にて。朝早くから参拝客の列が続いていた。
[参考画像2] 小さな本尊を取り囲むようにして並ぶシバリンガ(シバ神の象徴)に供え物をする人たち。
この月は殺生を避けることが良しとされるため、普段は時々肉を食べる人であっても、この月だけは菜食で通すこともある。
生々しい生け贄シーンが見られることで知られている、ダクシンカリ寺院(カーリー女神を祭る、カトマンズ南部20kmほどの場所にある寺院)も、普段の月と比べると参拝客が減る(生け贄による殺生を避けるため)。
爪や髪を切らないで過ごす人も多い。
そんなサウン月の真っ最中、スタッフがヨーロッパ方面へ出かけることになった。ヒンドゥ教徒の彼にとって、深刻な問題が7月初め頃から浮上していた。
それは『訪欧前に髪を切りたいのだが、いつ髪を切るか?』ということだった。
費用を計算していたところ、ヨーロッパでの散髪代はネパールでの100倍ぐらいに相当することがわかったのだ。
2ヶ月の滞在中、向こうで散発代がかからないよう、何が何でも安いネパールで切っていく気でいたのだが、出発直前はサウン月の真っ最中。
彼も例に漏れずこの月に信仰を強める1人。髪を切るとはもってのほか、という思いが強く、切りたいけれど切れない状態だったのだ。
そしていよいよ出発日の前日(8月1日)。悩みに悩んだ挙句、許しを請う簡単なプジャ(儀式)をして、なんとか散髪を終えたそうだ。
サウン月の間、ヒンドゥ教徒(主にブラーマン)はシバ神信仰をいつも以上に強くする。シバ神に由来のある月曜日には、他の月よりも多くの人が、シバ神を祭る寺院を参拝する。
[参考画像1] 今週月曜日に訪れた、カトマンズ郊外の小高い丘の上にある小さな寺院にて。朝早くから参拝客の列が続いていた。
[参考画像2] 小さな本尊を取り囲むようにして並ぶシバリンガ(シバ神の象徴)に供え物をする人たち。
この月は殺生を避けることが良しとされるため、普段は時々肉を食べる人であっても、この月だけは菜食で通すこともある。
生々しい生け贄シーンが見られることで知られている、ダクシンカリ寺院(カーリー女神を祭る、カトマンズ南部20kmほどの場所にある寺院)も、普段の月と比べると参拝客が減る(生け贄による殺生を避けるため)。
爪や髪を切らないで過ごす人も多い。
そんなサウン月の真っ最中、スタッフがヨーロッパ方面へ出かけることになった。ヒンドゥ教徒の彼にとって、深刻な問題が7月初め頃から浮上していた。
それは『訪欧前に髪を切りたいのだが、いつ髪を切るか?』ということだった。
費用を計算していたところ、ヨーロッパでの散髪代はネパールでの100倍ぐらいに相当することがわかったのだ。
2ヶ月の滞在中、向こうで散発代がかからないよう、何が何でも安いネパールで切っていく気でいたのだが、出発直前はサウン月の真っ最中。
彼も例に漏れずこの月に信仰を強める1人。髪を切るとはもってのほか、という思いが強く、切りたいけれど切れない状態だったのだ。
そしていよいよ出発日の前日(8月1日)。悩みに悩んだ挙句、許しを請う簡単なプジャ(儀式)をして、なんとか散髪を終えたそうだ。
2007年8月1日水曜日
キールを食べる日
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