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2007年2月15日木曜日

人の暖かさ

ネパールにもネパール人にも不満ばかりの毎日だが、何気ない出来事に、やっぱりネパールはいいなあ、と実感するときがある。

本日、久しぶりにスクーターで外出した。ガソリンが少なくなりかけていたので、しばらくは自転車移動に切り替えていたのだが、昨日1時間並んで満タンにできたので、久々に乗ることにしたのだ。

突然のカトマンズ盆地バンダ(ストライキ)であったため、街の交通量も少ないし、ガス欠の心配もなくなって、快適に走らせた。

が、出先からの帰り道、持病であるエンジントラブル発生。エンジンがかからなくなってしまい、途中から押して歩く羽目になってしまったのだ。

近くの修理屋にスクーターを残して帰ってもよかったのだが、ガソリン不足のさなか、見知らぬ場所に満タンにガソリンの入ったスクーターを置いていけば、ガソリンを抜かれてしまう恐れもある。

そう考え、いつも修理を頼んでいる、自宅近所の修理屋まで、押して行くことにした。

故障地点から家までは、徒歩でもあと15分ほどの距離しかなく、目と鼻の先だったのだが、途中、押しては絶対に登れない急坂(*)がある。やむなく、平坦な道を選び、徒歩でも30分ほどかかる道を、重いスクーターを押しながら、約1時間かけて歩いて帰った。

* 急坂:年齢がばれるが、20年以上前、ドリフターズの8時だよ、全員集合、という番組があったのを知っている方もいるだろう。その番組の最後のほうで、ドリフのメンバーが、急坂を駆け上るコーナーがあったことを、覚えている方はいるだろうか?

助走をつけても、急坂を登りきることができる出演者は少なく、駆け上がっては滑り落ち、また駆け上がっては滑り落ち、ということを繰り返し、笑いを呼んでいた。

子供心に、あの急坂を駆け上ってみたい、と、思っていたのだが、まさに駆け上っては滑り落ちる体験を、自宅近くの急坂で、してしまったのだ。

その急坂は、距離は20mほどと短いのだが、勾配がハンパではない。スクーターの調子がよいときでも、坂のふもとで一度エンジンを思い切りふかし、助走をつけて一気に登りきる。エンジンが不調のときは絶対に登ることはできない。今までに何度も、途中まで登っては滑り落ちる、とうことを、体験している。

この坂を通ることができれば、自宅までもすぐ近くなのだが、重いスクーターを押して上がるなんて論外なので、仕方なく平坦な道を遠回りして帰ることにしたのだ。

途中、通りすがりの見知らぬ人たち何人もに、応援の言葉をかけてもらった。

ディディ(おねえさん)、どうしたの? エンジンかからないなら、こうやってみるとかかるかもよ、と、アドバイスをしてくれる青年。試したが、結局エンジンはかからなかった。でも、暖かい言葉がうれしい。

ナニ(おじょうちゃん)、大変だねえ。ワシも前同じ目にあって、1時間押して歩いたんだよ。わっはっは。と、自転車で私の横を通り過ぎていくおじさん。一言二言会話を交わした後、じゃ、お先に~と去っていった。

修理屋の前を通ったときには、ココでなおしていきなよ、と声をかけられた。もうすぐ家だから大丈夫、というと、そう?じゃあがんばってね、と見送ってくれった。

途中、スクーターの足元に乗せていた荷物が落ちてしまったときは、すかさず通りすがりのおばさんが拾って、戻してくれた。

やっと修理屋についたときには、汗はだくだく、腕も疲れて大変なことになっていたのだが、ささやかではあるが、普通の人の暖かさにふれて、なんとなく、優しい気持ちになれていた。

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